幅広い事業を展開する錦城護謨だから見つけられた ものづくりに没頭できる理想の仕事

錦城護謨株式会社
2025年8月6日 16:50
1936年創業の大阪府八尾市に本社を置く老舗ゴムメーカーである錦城護謨株式会社(きんじょうごむ)。家電、医療、食品、自動車等に使用される工業用ゴム部品の製造・販売を行っているゴム製品関連事業、「地盤改良工事」を専門に全国の土地づくりを行っている土木事業、視覚障害者用歩行誘導マット「歩導くんガイドウェイ」の生産・販売・設置を行っている福祉関連事業の3つの事業展開を行っています。近年は「まるでガラスのようなシリコーンゴム製のグラス」を展開する自社ブランド「 KINJOJAPAN」など、福祉・生活分野にも注力しています。
今回は新卒で入社し、生産部の一員として製品の製造に携わっている武田が錦城護謨株式会社での仕事や働く魅力について語りました。
ーー学生時代は将来についてどう考えていましたか?
中学・高校とサッカー部に所属しており、毎日練習や試合に明け暮れるサッカー中心の生活を送っていたため、正直なところ進路について真剣に考える機会はあまりありませんでした。将来のことよりも、目の前のプレーに全力を尽くす日々だったと思います。ただ、ふとした瞬間に、小さい頃から漠然と「機械ってかっこいいな」「どうやって動いてるんだろう」と感じていたことを思い出すことがありました。そうした体験があったからか、就職活動を始めた際、自然と "ものづくり" という分野に興味が湧いてきたのだと思います。
実際、就職活動を進めるなかで、工場での製造業務や、技術を活かして製品をつくる仕事に魅力を感じるようになり、「自分の関わった製品が、誰かの役に立つ」ということにやりがいを感じられるのではないかと思い、ものづくりに関わっている会社を中心に選考を受けました。
ーー錦城護謨への入社の経緯を教えてください
通っていた高校では就職活動のサポートが充実しており、同級生たちと一緒にさまざまな企業の説明会に参加する機会がありました。その中のひとつが錦城護謨株式会社で、実際に工場を見学させてもらえるという貴重な体験もしました。実際の職場環境や製造の現場を自分の目で見ることで、「こういう場所で働くんだな」とイメージが湧き、選考に進んでみたいという気持ちになったのをよく覚えています。
ただ、実はその前から錦城護謨の名前は知っていました。というのも、私は錦城護謨の本社がある八尾市の出身で、子どもの頃から何度も本社の前を通ったことがあったからです。当時は何をしている会社なのかまでは知りませんでしたが、名前や建物は印象に残っていて、どこか親しみのような感情を持っていました。だからこそ、説明会に参加した時点で親近感を覚え、より真剣に話を聞くことができたのかもしれません。
説明会では、錦城護謨がゴム製品関連事業、土木事業、福祉関連事業という3つの異なる分野で事業を展開しているという説明があり、その多角的な取り組みに強く惹かれました。製造業というとひとつの分野に特化しているイメージを持っていましたが、ここでは異なるジャンルのものづくりに携われる可能性があると思うと、自分の将来の選択肢や成長の幅も広がるのではないかという期待感が高まりましたね。
加えて、地元・八尾の企業であり、馴染みのある場場所で地域に根差した企業で働けることに魅力を感じ、この会社で頑張ってみたいという気持ちが固まりました。

ーー入社後の仕事内容を教えてください
今は製造の仕事をしていますが、入社直後は今の部署ではなく土木事業部に配属されました。そこでは現場に出て作業をしていたのですが、仕事内容について悩むことがありました。上司にも悩みを聞いていただき、その結果、今の製造課への異動が決まりました。
製造課では、工場内で製品の製造スタッフとして、成型機へ投入した材料を金型へ射出し製品を成形する射出成形に携わっています。私が所属しているチームでは作業の自動化にも取り組んでいるので、自分で直接金型へ材料を置いたり、出来上がった製品を金型から取り出したりはせず、それを行う機械の微調整が主な仕事。気候によっても材料の固まり方などが異なるため、状況に応じた調整が必要です。
元々漠然としたものづくりへの興味だけで入社を決めたため、成形の技術や材料に関する知識は全くないところからのスタートでした。錦城護謨は現場で実際にやって学ぶスタイルです。私も、先輩が作業をする後で見せてもらいながら課機械の調整方法や、成形後の製品を金型からスムーズに剥がせるようにするための薬剤の散布方法などについて一つ一つ勉強しました。その後、自分も実際に挑戦しては失敗を繰り返し、アドバイスをもらいながら試行錯誤して成長してきました。業務の流れを理解し、ある程度自信を持って作業をできるようになるまでには約1年くらいかかりましたが、先輩たちはいつでも根気強く教えてくれました。

正解がない仕事に挑み続ける日々
チームで試行錯誤する先にある達成感がものづくりの本質
ーー仕事の面白さややりがいは何ですか?
理想の製品を製造するために試行錯誤する工程が面白く、無事自分が作業したことにより製造がうまくいったときは大きなやりがいを感じます。私の仕事には毎日一つとして同じ仕事はありません。同じ製品の製造においても、温度・天気・湿度 いろんな要素を踏まえて製造していくため、日々試行錯誤の繰り返しです。
うまくいかない時には、その試行錯誤に1週間費やすことも当たり前。その中で仮説を立てながら、正解に近づいていく過程がとても楽しいですね。そして、自分が携わる製品が製造過程でより良くなっていく姿を最前線で見ることができるのもこの仕事の面白さ。製造の次の工程である検査結果が良いという知らせを聞くと達成感もひとしおです。
経験を積むと、環境に適した製造方法を最短距離で導くことができるようになってくるので、先輩たちから学ぶことも非常に多いですが、理論上は上手くいくはずなのになぜか失敗してしまう、ということもありえるのが難しいところ。でもそんな状況も楽しめて、地道にコツコツ忍耐力を持って取り組める人にはとても面白くてやりがいのある仕事だと思います。
私たちが製造するのは、炊飯ジャーのパッキンなどの形が複雑で、その分製造難易度も高いものが大半です。以前担当したものでは、使っている金型からの脱型が上手くいかなかったり、途中で割れてしまうことがあったりと品質が不安定になってしまう製品がありました。
そこでロボットの設定の変更や、薬品の散布方法を変えるために現場で案を出し合うことになりました。製造課では私が一番若く、ベテランの先輩たちばかりなので経験の少ない私が意見をすることに躊躇しましたが、より良い製品を作るために意見を出したいと思い切って提案することに。すると先輩たちは若手の意見も快く受け入れてくれ、「じゃあその方法も試してみよう」「こう組み合わせるとより良くなりそうだ」と提案を昇華させ取り入れてくれました。その後も試行錯誤を重ね、その製品の製造がようやく安定したのは半年後。長い時間がかかりましたが、主体的に意見をだし関わった製品が安定して製造されお客様のもとに届いている様子を見ると、その苦労も吹き飛びました。
ーー今後の目標などあれば教えてください
まだまだ製造スタッフとしての経験も浅く、これから経験を積んでいかないといけないため先は長いですが、ゆくゆくは製造現場だけではなく他の現場との橋渡しになれるようなスタッフ職にも挑戦してみたいと思っています。
生産部には私が所属する製造課以外にもチームがあり、チームの仕事が繋がってようやく一つの製品が出荷されます。スタッフ職として製品作りの全体を見るようになると、さらにものづくりのやりがいを感じることができるはずです。
入社前は漠然とした興味しかなかった私が、このように将来の目標を持って働けるようになったのは先輩たちのおかげです。実際今スタッフ職として現場をまとめてくださっている先輩の背中を見て、「自分も先輩のようになりたい」と思うことができました。進むべき道を示してくれる頼りになる先輩たちを追いかけながら、今後も成長していきたいと思っています。
