サッカー一筋の学生時代から地盤改良の最前線へ 錦城護謨で見つけた新しい”チーム”

錦城護謨株式会社
2025年8月8日 13:02
1936年創業の大阪府八尾市に本社を置く老舗ゴムメーカーである錦城護謨株式会社(きんじょうごむ)。家電、医療、食品、自動車等に使用される工業用ゴム部品の製造・販売を行っているゴム製品関連事業、「地盤改良工事」を専門に全国の土地づくりを行っている土木事業、視覚障害者用歩行誘導マット「歩導くんガイドウェイ」の生産・販売・設置を行っている福祉関連事業の3つの事業展開を行っています。近年は「まるでガラスのようなシリコーンゴム製のグラス」を展開する自社ブランド「KINJO JAPAN」など、福祉・生活分野にも注力しています。
今回は新卒で工事部に入社し、重機オペレーターとして日本各地の現場で施工を行っている喜築が入社までの経緯や錦城護謨株式会社での仕事や働く魅力について語りました。
ー学生時代はどんなことに打ち込んでいましたか?
小学生の頃から大学生まで、ずっとサッカーに打ち込んできました。振り返れば、まさにサッカー一筋といえる学生生活でした。毎日練習や試合に追われる生活で、特に大学生の4年間はあっという間に過ぎましたね。10年以上サッカーを続ける中で、もちろん楽しいことばかりではなく、思うように上達できず壁にぶつかって辞めたいと思ったこともありました。
でも、そんなときに支えてくれたのがチームの仲間たちでした。一緒に汗を流してきた仲間の存在が、心の支えになり続けてこられたと思います。試合に勝って一緒に喜び合った経験もあれば、負けて一緒に悔し涙を流した経験もある。そうした時間を通して”仲間の大切さ”や”チームワークの尊さ”を身に染みて感じました。サッカーを通じて得たこの経験は、今でも自分の行動や考え方の軸になっています。
ー錦城護謨に入社を決めた理由を教えてください
大学では国際学部に在籍し、海外の文化や生活習慣などを学んでいました。国際学部に進学したのは、高校時代に日本の歴史を学ぶうちに世界の歴史にも興味を持ったことがきっかけでした。ですが、「将来は海外で働きたい」「国際事業に携わりたい」といった具体的な目標があったわけではなく、就職活動を始めたときも自分のやりたいことがはっきりしていませんでした。
そんな中でふと頭をよぎったのが、父の存在です。父は建設機械の営業をしていて、子どもの頃からその姿を見て育ってきました。家には仕事関係の重機の模型が置いてあり、それを見てかっこいいなと憧れたこともありました。昔のことも思い出しながら将来を考えているうちに、気づけば自分の興味が自然と建設や土木関連の仕事へと向いていき、建設業界や土木分野の会社を中心に企業研究を進めるようになりました。
錦城護謨との出会いは、就職活動を始めて2〜3ヶ月が経った頃のことでした。会社説明会に参加した際に、地盤改良という分野に特化している企業だと知りました。それまで地盤改良という言葉すら聞いたことがなかったのですが、地面そのものを整えるというスケールの大きさに惹かれ、他の会社とは違う領域に特化して事業を展開していることに純粋に面白さを感じました。
就職活動のなかで、最終的には錦城護謨ともう1社で迷っていたのですが、決め手となったのは全国各地の現場に滞在しながら働くというスタイルでした。実家暮らしが長かった自分にとって、それは社会人としての自立のきっかけになり、錦城護謨での経験は人生においてきっとプラスになると確信し、入社を決意しました。

ー現在の仕事内容を教えてください
現在は、重機オペレーターとして現場で重機を動かしています。私たちが担当するのは、建物が建つ前の地盤改良と呼ばれる工程。地面が軟弱でそのままでは建物を支えられないような場所に、ペーパードレーンという材料を地中に打ち込み、地盤の強度を高めるという作業を行っています。
全く土木の知識がない未経験からの入社だったので、入社当初は“手元”と呼ばれる職人のサポート業務からスタート。現場での段取りや材料の準備など、作業を円滑に進めるための役割です。この仕事を通じて、作業の流れや現場での基本を学びました。一つ一つを習得することは簡単ではありませんでしたが、現場では先輩たちが本当に丁寧に教えてくれます。わからないことを聞けば、嫌な顔ひとつせず教えてくださるおかげで、未経験の私でも前向きに仕事を覚えることができました。
工事部には手元だけでなく、現場監督やオペレーターといったさまざまな役割があり、キャリアの選択肢も豊富です。どのポジションも魅力的ですが、私は元々重機に興味があったこともあり、オペレーターという仕事を志すようになりました。サポートの仕事に慣れてきて、今後進むキャリアを決める頃には、自分も重機に乗ってみたいという気持ちが強まり、挑戦することにしました。技能講習を経て免許を取得したのは2024年6月でした。重機オペレーターとしてのキャリアも1年が経ち、今では少しずつオペレーターとしての自信がついてきました。

危険と隣り合わせだからこそ活きるチームワーク
いつか街のシンボルの建設に携わりたい
ー仕事の難しさややりがいはどこで感じますか?
オペレーターの仕事は重機を動かすだけではありません。まず大切なのが機械の点検です。点検を怠ると、現場でトラブルが発生しやすくなります。特に現場によっては地面の状態が悪いことも多く、操作を間違えると怪我や最悪の場合は命に関わるような大きな事故にもつながるリスクがあります。もちろん、重機の点検や操作を意識するだけではなく、現場内でお互い声を掛け合いながら仕事を進めることが重要です。時にはお互いをサポートするなど、チームワークが良くないと仕事はうまく進みません。
私も重機オペレーターとして仕事を始めて半年くらいまでは、機械トラブルや故障が頻発していました。もちろん経年劣化によるトラブルもあるため発生を完全にゼロにするのは難しいですが、発生を抑えるために日々のメンテナンスは非常に重要です。万が一トラブルが起こった場合にも、工事の進捗に影響が出ないように、いかに素早く対応し施工を再開させるかが大切です。
当時はまだ知識がなくて、先輩たちに迷惑をかけることも多かったので、現場がない日には積極的に整備工場に行き、ベテランの技術者の方に直し方や点検のコツを教えてもらいました。おかげで、最近では自分一人で対処できる場面も増えてきましたね。
地盤改良は、建物が建つずっと前の工程なので、自分が施工した場所に建物が完成するまでには時間がかかります。私はまだ経験が浅いため、自分の手がけた土地に建物が完成したという報告を受けたことはありません。ですが、先輩の中には関西の有名施設の施工に携わった人もいて、「自分もいつか、あの現場に関わったんだ」と胸を張って言えるようになりたいと思っています。

ー入社をして良かったと感じる点は何ですか?
働いている人たちの人柄の良さとチームワークがいいことです。年齢差のある先輩社員も多いですが、とにかく優しくて親身になってくれる方が多く、新卒入社でも安心して働ける環境だと思います。現場によっては全国各地に数ヶ月単位で滞在することもあるこの仕事。私自身もこれまで最長で5ヶ月間、地方の現場に滞在したことがあります。
そうした出張先では知り合いは会社の人だけになるので、自然と一緒にご飯を食べたり、休日に出かけたりするのも同僚になりがち。想像をすると気が引ける人もいるかもしれませんが、いい人ばかりだからこそ楽しくて、プライベートでのコミュニケーションを通して仲間との距離も一気に縮まります。こうした中で先輩たちが経験してきた過去の現場の話を聞くことができるのも楽しいですね。
これまでの人生でサッカーというチームスポーツを続けてきた自分にとって、「仲間と一緒に取り組む」というスタイルはすごく合っているなと感じています。錦城護謨は仕事だけでなく、プライベートも充実させられる職場です。
今は、まず重機オペレーターとしての技術をもっと高めることが目標です。そして、いずれは現場全体を見渡す現場監督として、チームを率いる立場になれたらと思っています。これからも学びを重ねながら、自分自身の可能性を広げていきたいです。
