積極的に仕事を任せ、成長をサポートする。仲間の幸せを第一に考えるチーム作りとは

株式会社鈴工設備
2025年9月19日 11:51
「関わる人々の幸福と生活の向上に寄与する」ことを企業理念に掲げ、川崎を中心に神奈川県内・東京都内エリアで家庭用エアコンから業務用エアコン設備の取り付け、修理、点検、保守メンテナンス、掃除などのエアコン設備事業を展開している株式会社鈴工設備。地域に密着し一貫したサービス提供はもちろん、近年では公共工事なども手掛け事業を拡大しています。今回は、「一緒に働く仲間である社員の幸せを第一に考える」ことを第一に、社員の成長を見守り伴走し続ける取締役 鈴木が、会社のこれからや社員への思い、一緒に働きたい人の人物像について語りました。
ー鈴工設備の成り立ちと事業について教えてください
株式会社鈴工設備は、1980年に祖父が大工として建築系の会社を立ち上げたことから始まりました。創業当初は建築工事を中心に事業を展開していましたが、ほどなくして空調設備の分野へと事業を広げ、以来空調設備をメインとした事業基盤を築いています。
私たちが長年民間のお客様に選ばれてきた大きな理由は、対応力だと自負しています。問い合わせに対するレスポンスの早さはもちろん、トラブルが発生した際の迅速な対応、そして一貫したサービス提供が信頼を生み、これまで多くのお客様からお引き合いをいただいてきました。
そんな会社が次なる挑戦として5年前に決断したのが、公共工事への本格参入です。きっかけはコロナ禍での経営の不安定さ。この業界は現場に出なければ仕事が進まないため、感染者が出れば工事が1〜3か月止まってしまうというリスクを抱えていました。その状況を打開するため、安定した需要がある公共工事に挑むことを決めたのです。
しかし、参入の道は簡単ではありませんでした。入札に必要な参加資格を取るために、数十件にも及ぶ申請を行い、手探りで独立行政法人や省庁へのアプローチ方法を習得。さらに入札データベースを活用して過去の実績を徹底的に分析し、落札できなかった案件についても原因を洗い出して改善を重ねてきました。そうした日々の積み重ねが成長につながり、ここ5〜6年では関東圏全体に対応できる規模へと拡大。売上も過去5年連続で右肩上がりとなり、5年前には1億円に届かなかった規模から、今では2億円近くまで売上が伸びています。
さらに大きな変化は、下請けから元請けへのシフトです。公共工事では扱う材料や道具も異なり、技術習得や社員教育、協力会社との連携など新たな課題も多くありましたが、それを一つずつ克服してきました。その結果、収益性を高めることができ、経営基盤の強化にもつながったと確信しています。
ー会社経営をする上で大切にしている価値観は何ですか?
私が会社を経営するうえで大切にしているのは、「お客様はもちろん、社員を含めて鈴工設備に関わるみんなが幸せになれる環境をつくること」です。特に現場で一緒に頑張ってくれている社員には、安心して前向きに働ける環境を整えることを一番に考えています。
まず意識しているのは、オンとオフのメリハリをつけてもらうこと。働くときはしっかり働いて、休むときはしっかり休んでほしい。企業理念の中にも「家族を大切にしてほしい」という考えがありますから、授業参観や家族旅行の予定があれば遠慮なく優先して休んでもらっています。現場が落ち着いていれば、臨機応変に早上がりするのも問題ないですし、有給休暇も100%消化するように推奨しています。みんなでカレンダーを共有しているので、前もって予定を入れてくれればそれをベースに施工スケジュールを組んでいます。公共工事は1〜3ヶ月と長期の案件が多いので調整しやすく、結果的にワークライフバランスが取りやすくなります。
一方で、お客様にいいサービスを届けるためには「現場力」と「チームワーク」が欠かせません。現場はみんなでつくりあげていくものなので、誰かひとりだけが突出していてもダメなんです。大事なのは、どういう組み合わせでどういうチームをつくるか。特性や相性を見ながら編成していますし、誰かが大変な状況にあれば自然と助け合える、そんな環境を大切にしています。信頼関係ができていくと現場も明るくなり、会話しながらでも効率よく作業が進みますから。
そのためにも私は、毎日必ず社員から作業報告を受けるようにしています。単に成果を聞くだけではなく、「今日は楽しかった?」「うまくやれた?」といった感情面を確認するんです。不安や不満が見えたらすぐに拾い上げて、必要ならチームを調整します。こうした取り組みを積み重ねていくことで、社員が幸せに働ける環境ができ、それが良いチームワークを生み、お客様に高い満足を届けられると考えています。社員が幸せであってこそ、お客様も幸せになれる。私はそんな好循環をつくっていくことを、これからも大切にしていきたいですね。

ー会社の経営に携わるようになった背景を教えてください
祖父の創業から会社が始まった話をしましたが、正直、最初は会社を継ぐつもりはなかったんですが、実際に会社が人手や仕事の面で困っているのを目の当たりにして、自分の気持ちとして「継ぎたい」というより、「この会社をなんとか盛り上げていきたい」という思いが芽生えてきたんです。
当時は基本的に民間工事ばかりで、元請けの下について仕事をしていました。でもその体制は不安定で、取引関係を切られたり切ったりを繰り返し、いつ仕事がなくなるかわからない状況でした。社員も3〜4人はいたんですが、入れ替わりが激しくて定着しない。父も年齢的に現場に出るのが難しくなってきていました。
ただ、当時の私は業界のことも、現場のことも、正直何も知らない素人同然。だからまずは自分が現場でちゃんと作業できる状態になるために、誰よりも早く成長することを意識しました。とにかく必死に技術を学んで、社員よりも先に一通りできるようになる。そうじゃないと人を引っ張っていけないと思ったんです。
入社直後から約3年間は現場に出て自分の技術を磨く時期でした。一級管工事施工管理技士や第一種電気工事士の資格取得、そしてガス溶接や高所作業車運転資格などの技能講習を受講。その他にも低圧電気取扱作業者や足場組立等作業従事者の特別教育も履修し、最終的に31個の資格を取得しています。
そしてある程度現場のことがわかってきた頃、会社の課題や今後の方向性が見えるようになり、今のポジションに。入社して9年になりますが、ここまではあっという間でした。
成長過程に失敗はつきものだから”怒らない”
強い信頼関係が社員の主体性と成長を引き出す
ー社員と接する際に意識していることはありますか?
裁量を持たせて任せることを意識しています。この業界はOJTで若手社員を育てるしかなく、実際にやらせて失敗から学ばせるのが基本です。大事なことを任せないと成長は遅れ、5年経っても一人前になれない人もいます。だからこそ、後ろでフォローできる体制を整えながら、思い切って現場を任せるようにしています。実際、社内では3年目で公共工事を一人で担当できる社員も育ちました。任されることを喜びに思える人ほど伸びると感じています。
もちろん、ただ任せるだけではなく、社内での報告・連絡・相談を徹底。毎日作業報告書と工事写真を必ず提出してもらい、それをもとに業務の改善点をフィードバックできる体制を作っています。これを日々行うことで本人も成長を実感できますし、私たちも現場の様子を把握しフォローすることができています。
そして最も重視しているのは信頼関係です。そのために意識しているのは失敗などを頭ごなしに怒らないこと。成長過程に失敗はつきものですし、しっかりフォローするためにも隠さずありのままを報告できる関係作りに注力しています。だからこそ、社員とはプライベートでも飲みに行くことも多いですね。
だからこそ社員とは、ちょっとした冗談を言い合ったりして、フランクに話せる関係を築くことができていると実感しています。時には社員から私生活の相談を受けることもあるくらいです。

ー今回の採用を通して、どんな人と一緒に働きたいと考えていますか?
私が一緒に仕事をしたいと思う人物像には、いくつか大切にしているポイントがあります。
まずは成長意欲を持っている人です。任せてもらえることを喜びに感じられる人は、仕事を通じてぐんぐん伸びていきます。現場は挑戦の連続ですが、そこで新しい役割を前向きに受け止められる人は必ず成長していけると感じています。
次に、素直さを持っていること。うまくいったことも失敗も、正直に伝えてくれる人は信頼できますし、その分学ぶスピードも速いです。現場では予期せぬトラブルが起こることも多いですが、隠さずに共有してくれる人ほど、周囲も安心してサポートできます。
そしてもう一つは、ロイヤリティとホスピタリティを大切にできる人です。私たちの仕事はチームで動くのが基本なので、仲間との信頼関係を築けることがとても大切です。お互いに助け合いながら仕事を進められる人は、自然と周囲からも助けてもらえる存在になることができます。
入社時のスキルや経験年数は重要ではありません。一緒に長く働く仲間として人柄でのカルチャーフィットを重視しています。上司と部下ではなく、人と人として信頼関係を築きたいと思っていますから。
入社後は、まず安全に作業するための技能講習資格などの資格取得が必須。もちろん、その費用は会社が負担しています。その後、希望者は会社負担で電気工事士や施工管理の資格にも挑戦できます。未経験でも1〜2年で一人で現場に出られるようOJTを通して技術やノウハウを伝えていくので、ぜひ前のめりに吸収して成長していって欲しいですね。
ー新たな仲間が入社した先に鈴工整備としてどんな未来を描いていますか?
現在は安定して民間や公共工事の受注を受けることができており、経営も基板を作れていますが、当社へのニーズと比較するととにかく人手が足りておらず、一部の仕事をお断りせざるを得ない状況です。
だからこそ今後3年以内に社員を現在の2名から10名にまで増やし、チームの体制を強化することで、もっと多くの案件を効率的に受けられるようにしたいと思っています。年間売上も現状より大きく伸ばし、5億円以上の規模まで拡大させることが目標です。
このように大きな構想を持っていますが、どれだけ会社が大きくなっても社員を第一に大切にするという今の姿勢は変えるつもりはありません。一緒に苦楽を共にしてくれている仲間の幸せを大切に、そして私が困っている時に助けてくれた人達に恩返しをするために。これからも会社を大きくしていきたいと思っています。
自分自身を成長させ、仲間と一緒に切磋琢磨しながら働きたいという方に出会えることを楽しみにしています。
