高卒で製造業で働くメリットは?仕事内容や年収アップのポイントを網羅的に解説

エラメク編集部
2025年2月21日 14:05
製造業は高卒の未経験者でも働きやすく高収入を望める業種で、働きながらスキルアップやキャリアアップ、年収アップを望むこともできます。本記事では、高卒者が製造業で働く際の主な仕事内容や製造業で働くメリット・デメリット、年収を上げるために押さえておきたいポイントを解説します。
高卒で製造業で働くことはできる?
結論から言うと、高卒で製造業で働くことは十分可能です。製造業と一口に言っても仕事内容は幅広く、就業経験がない高卒の人でも働ける職種があるからです。中でも、製造業では工場勤務で直接製品の製造や検品などに携わる仕事が多くなります。このような仕事は未経験からスタートする人が多いため、高卒者でも働きやすい業種といえるでしょう。
高卒者が働きやすい製造業の主な仕事内容

製造業にはさまざまな職種がありますが、その中でも高卒者が働きやすい仕事は、主に以下に挙げる3つの職種です。
ライン作業
ライン作業とは、工場内のベルトコンベアに流れてくる部品や製品を取り付けたり組み立てたりする仕事です。複数名で作業を分担して、一つの製品を作り上げます。高い専門性は求められないものの、一つミスをすると製品の品質に大きく影響するため、正確性が要求されます。取り扱う製品などによって立ち仕事で大きな部品を取り扱うことがあるため、場合によっては体力も必要な仕事です。
検査・検品
ライン作業でできた製品をチェックし、不具合や問題がないかどうかをチェックするのが、検査・検品の仕事です。ライン作業とは異なり座り仕事が多いのが特徴ですが、ここで製品の問題を見逃してしまうことも製品の品質に影響するため、高い集中力を要します。
仕分け・ピッキング・梱包
仕分けやピッキング、梱包は、検査・検品が済んだものに対して行う業務です。発注内容に応じて製品を揃えて梱包し、納品先ごとに仕分ける一連の作業を担当します。梱包後の製品の出荷作業を行うこともあります。
スキルを積めばより専門的な職種に就くことも可能

高卒で製造業で働くための近道は未経験者や初心者でも働きやすい工場内での各種作業ですが、製造業では、専門的な資格取得やスキル習得を目指せる研修や勉強会を実施しているところが多くあります。働きながら製造に関わる専門性を高めていけば、工場内での作業にとどまらず、上流工程のより専門的な職種に就くチャンスを得られます。つまり、製造業は経験を積んでスキルを身につけることで着実にスキルアップできる業種といえるのです。
高卒者が製造業で働くメリット

高卒者の就職先には製造業以外にも数多くの業種がありますが、高卒者が製造業で働くメリットとして、以下の4点が挙げられます。
男女問わず未経験・無資格でも働きやすい
実務経験や資格取得が求められる業種や職種の場合、高卒者が働くにはハードルが高くなることがあります。しかし、製造業なら資格や知識がない人でも就業しやすく、一から知識や経験を積めます。前述したライン作業や仕分け・ピッキングなど、製造業には男女問わず未経験で資格を取得していなくてもできる仕事が多くあり、高卒者でも仕事を探しやすく働きやすいのがメリットです。
安定した収入が望める
製造業の仕事は、中小企業から誰もが知る大企業まで多数あります。一般的に、製造業は経済を支えるための重要な業種に位置づけられているため、景気による影響が少ないといわれ、製造業を営む会社は比較的安定しています。そのため、製造業で働くことができれば景気の悪化などによる解雇やリストラなどの不安なく、安定した収入が望めるでしょう。
働きながら免許・資格取得してスキルアップを目指せる
未経験・無資格でも働きやすい製造業ですが、働いて実務経験を積みながら免許や資格を取得することで、スキルアップを目指せるのもメリットです。高校卒業後にすぐ働くことで豊富な経験を積めば、年収アップも期待できます。
福利厚生が充実している職場が多い
特に、大手の製造業の企業は、手厚い福利厚生が用意されていることが多くなります。職種によっては体力が必要であることから、住宅や健康系の福利厚生が特に充実している傾向があります。充実した福利厚生は生活のバックアップとなり、余暇を充実できたり金銭的に余裕が生まれたりするのがメリットです。
高卒者が製造業で働くデメリット

高卒者が製造業で働くことにはさまざまなメリットがありますが、デメリットがあることも事実です。製造業での勤務を検討している方は、デメリットについても知っておくといいでしょう。
体力が求められる
高卒者が働きやすいライン作業やピッキングなどの仕事は、体力が必要です。1日中じっと座ったままでいることはほとんどなく、常に動き回らなければならないことも多いでしょう。若くて体力もある高校卒業直後であれば、体力仕事は苦にならないかもしれません。しかし、将来的に年齢を重ねるにつれて体力が落ちていくことを考えると、体力に自信がない方には向いていないといえます。
人脈を広げにくい
製造業の仕事は、工場内での勤務がほとんどです。他業種では、他の企業とのやり取りを行うなど人脈を広げるチャンスが多少なりともあるものです
製造業でも、一部の職種では外部とのやり取りが発生することはありますが、主に高卒者が従事するライン作業やピッキング、検品などの作業は工場から出て仕事をする機会が少ないため、工場の外との人脈を広げることが難しくなってしまう点もデメリットの一つです。仕事を通していろいろな人とつながりたいと考えている方には、製造業はあまり適しているとは言えません。
シフト勤務が多い
工場で働く場合、大半がシフト勤務と考えていた方がいいでしょう。職場によっては夜勤を含めたシフト勤務となることもあり、土日祝日も関係なくシフトが入ることも多いため、平日日中のみ働いて土日祝日をしっかり休みたい方に製造業は不向きです。
製造業で働く高卒者の初任給と年収

製造業は他業種よりも年収が高い傾向があるため、高卒者であっても初任給や年収はやや高めです。
平均初任給
高卒者が製造業で働いた場合の初任給の平均は、約18〜20万円です。大卒者と比較すると低めにはなるものの、同じ高卒者の他業種の初任給と比較した場合は決して低い額ではなく、情報・通信業や医療・福祉よりも平均初任給は高めの水準です。
平均年収
製造業における19歳以下の高卒者の平均年収は、約200〜230万円です。製造業の高卒者の平均初任給は他業種よりも高めであることから、平均年収もやや高い傾向にあります。
高卒者が製造業で年収を上げるためのポイント

高卒者は未経験で入社することが多いため、年収を上げるのが難しいと思われがちです。しかし、以下のポイントを押さえれば、年収を上げることが可能です。
免許や資格を取得する
未経験で製造業に飛び込んだ高卒者でも、働きながら免許や資格を取得することで資格手当が上乗せされ、年収アップが望めます。企業によっては、免許・資格取得支援制度が利用できることもあります。制度を利用して専門性を身につけることで手当が増え、役職に就くチャンスを得られるため、年収を上げられるでしょう。
手当が付く日にシフトを入れる
製造業で年収を上げる方法として最も実行しやすいのが、シフトの入れ方です。シフト制で夜勤ありの職場であれば、夜勤や土日祝日の勤務で手当が付くことが一般的です。単純に、シフトを入れる際に手当が付く日の勤務を増やせば、年収を上げることが可能となります。
給料の高い企業の工場で働く
就職先の選択時に関わることですが、給料の高い企業の工場で働くことも年収を上げるポイントの一つです。大企業は給与水準が高めで、賞与や福利厚生が充実している傾向があります。勤続していれば、年収アップが期待できるでしょう。
高卒で製造業に向いている人とは?

製造業は未経験でもできる仕事ではありますが、仕事内容の特色から向き・不向きはあります。どのような人が製造業に向いているのか、その特徴は主に以下の3つです。
ものづくりに興味がある人
製造業には単調な作業が多い業種でもあるので、まったく興味関心がないとただ毎日同じことの繰り返しで嫌気がさしてしまうかもしれません。ものづくりに興味がある人なら、単調な作業にも楽しみを見つけやすく、製品ができあがったときの達成感ややりがいを感じられるので、製造業に向いているといえるでしょう。
集中力のある人
ライン作業や検査・検品作業は細かな仕事が多く、しかも長時間続けなければなりません。集中力が欠けてしまうとミスにつながってしまうので、一つのことに集中して取り組める人の方が、製造業の仕事には向いています。
真面目に仕事に取り組める人
製造業の仕事は、正確性が求められることが少なくありません。一つのミスが工場の作業中断の原因を招く可能性もあるため、仕事ぶりがいい加減では同じ業務をしている同僚や先輩・後輩はもとより、他の業務に携わる人へ迷惑をかけてしまうでしょう。そのため、真面目に一つの仕事に取り組める人の方が、製造業に向いています。
製造業は高卒でもキャリアアップや年収アップが可能な業種

製造業は、高卒の未経験者でも男女にかかわらず働きやすい職種が多い業種です。職務経験を積みながらスキルや資格、免許を取得することで将来にわたって仕事や転職に役立つ専門知識・技術を身につけられ、キャリアアップや年収アップも望めます。高校卒業後の進路で迷ってる方は、製造業も検討してみましょう。