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長距離トラックドライバーの現実は?年収やきついといわれる理由を解説

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エラメク編集部

2025年8月22日 16:44

長距離トラックドライバーは、月収40万円以上・年収500〜800万円が狙える高収入職種です。しかし勤務日数や長時間拘束、生活への影響も大きく、働く前に知っておきたい現実もあります。本記事では最新の年収相場や勤務実態、求人情報、高収入の条件まで丁寧に解説します。

勤務日数・走行距離・拘束時間の現実

長距離ドライバーは、1回の運行で数日間、1日10時間以上運転するケースも珍しくありません。

ここでは、実際にどのくらいの日数を走るのか、休憩や仮眠の取り方、法的規定への対応、そして家族との時間をどう確保しているかなどをリアルにご紹介します。

長距離運転の一週間の生活

長距離運転では1週間のうち、連続して2〜3日運行するパターンが多く見られます。例えば、東京発の関西方面往復では往復だけで2日かかり、帰宅を含むと3〜4日間の拘束になることもあります。

また、月の半分以上は高速道路上、車中泊で過ごすという働き方も珍しくありません。こうした実態を知ることは、事前理解として重要です。

休憩・仮眠の取り方と法律上の規定

法律上、運転中には「運転開始から4時間以上連続運転した場合は30分以上の休憩」が義務づけられています。(※)

また、24時間以内の拘束時間は最大13時間までとされ、休憩・仮眠時間を設けたうえで業務を行う必要があるので、サービスエリアやパーキングエリアで仮眠を取るケースが多いです。

(※ 厚生労働省 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)参照)

家族や私生活との時間の取り方

長距離運転では長時間・長期間家を空けることが多く、家族との時間調整が課題です。

それでも、比較的勤務のリズムが読みやすい企業では、週末や月に数日を確実に休むパターンを設けることで、家族とのコミュニケーションを維持しています。

たとえば、「月に4日間は必ず帰宅」など具体的なスケジュールがある場合、プライベートの安定にもつながるでしょう。

長距離トラックドライバーの年収・給与相場

長距離トラックドライバーは、普通のドライバー職より高収入が期待できる魅力的な仕事です。

ここではまず、平均的な年収・月収の目安から、車種や勤務形態による収入差、さらには「年収1,000万円」も現実的なケースについて、わかりやすくご紹介します。

全体の平均年収・月収と高収入事例

全日本トラック協会によると、平均的な長距離トラックドライバーの年収は概ね500万円から600万円程度が相場とされています。

月収に換算すると約40万〜50万円で、他の運転手職よりも高い傾向があります。

ちなみに、高収入の事例としては、特定の路線や時間帯で稼働することで月収60万円以上、年収700万円を超えるケースも報告されています。

こうした差は、勤務頻度や積載量、報酬体系によって生まれますので、条件次第で収入は大きく変わります。

車種別(大型・中型・小型)の年収比較

車種ごとに見ると、大型トラックのドライバーが最も高収入(※)で、年収は550〜700万円、場合によっては800万円以上も可能です。

中型トラックの場合は、平均年収が450〜600万円、小型だとさらに低く、400〜550万円が目安となります。

ちなみに、大型車の方が長距離を走り高単価な貨物を扱うことが多いため、この収入差が生じています。

※参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査

年収1,000万円ドライバーの条件

年収1,000万円を超えるドライバーは、例えば深夜・隔日運行、急送便や高付加価値品(大型機械や冷凍食品など)を扱う場合が多く、加えて歩合制で高率の報酬体系を採用する企業に所属していることが条件として挙げられます。

さらに、繁忙期に繁走している、ベテランで運転歴が長く無事故・無違反である、または独立して運送会社を経営しているケースも含まれます。

長距離トラックドライバー求人の現状

ドライバー不足が深刻な社会問題となっており、長距離トラックドライバーの求人は全国的に増加しています。

未経験者向けの案件から大手企業の求人まで選択肢が幅広く、待遇や研修制度にも地域差・企業差があります。その現状を整理してお伝えします。

未経験OKの求人と研修制度

多くの運送会社では未経験者歓迎の求人を出しており、研修制度が整備されています。具体的には、実際のドライバー同乗によるOJTや安全講習、運行管理の基礎教育などを受けた後に独り立ちできる流れが一般的です。

「免許はあるが長距離経験がない」など、一部スキルを持つ方にも配慮されています。これにより、安心して長距離ドライバーへチャレンジすることができます。

大手企業求人のメリット・デメリット

大手企業における求人のメリットは、安定した給与体系、手厚い福利厚生、長期雇用の安心感です。一方で、路線や担当が細かく決められており、柔軟性に欠ける場合があります。

対照的に中小企業では歩合制や融通の効くシフトが魅力ですが、収入の変動や福利厚生の違いなど、注意すべき点もあります。

歩合制・固定給制の違いと収入への影響

歩合制では、走行距離や荷物の単価に応じて報酬が変動し、やる気次第で高収入を狙えます。ただし繁忙期に稼働できないと収入が減るリスクもあります。

固定給制は安定性があり、月収が保証されやすい反面、上限が設定されているケースも。どちらが向いているかは、性格や生活スタイル、リスク許容度によって選ぶと良いでしょう。

高収入を得るための条件とコツ

同じ長距離ドライバーでも年収には大きな差があります。

ここでは特に、高収入を得るための路線選びや貨物の種類、稼げる会社の見極め方、そして体力や健康を維持しながら長く働くコツについて、実践的なアドバイスをまとめます。

高収入につながる路線・貨物の種類

高収入を狙うなら、たとえば「深夜・夜間指定のみ」や「チャーター便」「冷凍・冷蔵貨物」「建機・重量物輸送」など、付加価値が高い案件を狙うのがポイントです。

こうした貨物は報酬単価が高く、距離や時間あたりの稼ぎが大きくなります。具体的にいうと、特殊技能や設備、高度な安全管理が求められるほど高収入に近づきます。

稼げる会社選びのポイント

会社を選ぶ際には、まず報酬体系の透明性(歩合率や固定給の内訳)が明確であること。

次に、安全教育や車両整備、健康管理体制が整っているか、さらに、年間配送量や積載効率、ドライバーローテーションなど働き方の柔軟性もチェックしましょう。

これらを総合的に判断することで、収入だけでなく長く続けられる環境を見極められます。

体力・健康管理で長く働くための工夫

長距離運転は身体への負担が大きいため、日々の体調管理が不可欠です。

具体的には、十分な睡眠(仮眠だけでなく、休日の深い睡眠時間の確保)を取ること、こまめなストレッチや軽い運動を休憩時に行うこと、そして栄養バランスのよい食事(コンビニ食に偏らず、野菜やタンパクを意識)などが基本です。

また定期の健康診断を受けることで、早期の異常発見や生活習慣の改善にもつながります。

長距離トラックドライバーについてよくある質問

Q. 長距離ドライバーは本当に儲かりますか?

A.一般的な運転職に比べて月収40万円以上、年収500〜800万円といった高収入が狙えます。ただし、勤務時間の長さや拘束期間、生活リズムの変化に伴う負担も大きいため、「儲かる」と「自分に合う」は分けて考えることが重要です。

Q. 年収1,000万円は可能ですか?

A. 深夜運行や高付加価値貨物、歩合率の高い報酬体系、豊富な運行経験などが重なれば、年収1,000万円超えも現実的です。

Q. 何日連続で運転できますか?

A. 法律※上は、24時間拘束の上限が13時間で、4時間連続運転後には30分以上の休憩が義務化されています。実務では、連続して2〜3日間の運行が多く、その後しっかり休息を取るパターンが一般的です。

※参考:厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示(2024年4月1日施行)

Q. 未経験でも長距離ドライバーになれますか?

A. 多くの運送会社が未経験者を対象に、OJTや安全研修を含む研修制度を整えています。免許保持者であれば、チャレンジ可能です。

Q. 体調管理で一番大事なことは何ですか?

A. まずは十分な睡眠の確保です。さらに運転中・休憩時のストレッチ、休憩時の栄養バランスの良い食事も組み合わせることで、負担を軽減し長く働く体力を維持できます。

高収入と働き方のバランスが鍵

長距離トラックドライバーは高収入を追求できるやりがいある職業ですが、そのぶん拘束時間や精神的・肉体的な負担も大きい仕事です。

年収や勤務パターン、求人や働き方を正しく理解したうえで、自分のライフスタイルや価値観に合った選択をすることが成功への鍵となります。

本記事を参考に、慎重かつ具体的に自分に合った働き方を検討しましょう。

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