アイキャッチ画像
アイキャッチ画像

製造エンジニアの仕事とは?働くメリットや向いている人、おすすめの資格を解説

ユーザーアイキャッチ画像

エラメク編集部

2025年2月21日 14:05

製造に関わる専門職である製造エンジニアの仕事は、研究や設計、設備の保守・管理や安全管理など多岐にわたり、ものづくりに欠かせない仕事といえます。本記事では、製造エンジニアの仕事内容やメリット、向いている人の特徴に加えて、製造エンジニアにおすすめの資格について解説します。

製造エンジニアとは?

製造エンジニアとは製造業における技術職の一つで、工場での製造工程に関わる重要な仕事です。詳しい仕事内容は後述しますが、製造工場で生産効率を最大化し、製造する製品の品質向上・維持するための役割があります。

生産技術エンジニアとの違い

製造エンジニアとよく似た仕事として、生産技術エンジニアがありますが、両者は担当する領域が異なります。

製造エンジニアは、製品を生産する工程や効率に関わる業務を担当します。一方、生産技術エンジニアは製品の生産体制を整えたり設備導入・設計に携わったりするなど、生産ライン全体を考えて改善する業務を担当する点が、製造エンジニアと大きく異なります。

製造エンジニアの仕事内容

製造エンジニアは前述した通り、製品の生産工程や生産効率に関わる職種です。その仕事内容は、主に以下の7種類に分けられます。

1. 設計

製造エンジニアは、生産効率の向上を図るための生産ラインや最適な製造プロセスなどの設計を担当します。この中には、効率向上を目的として新たな設備の導入や設備の配置設計、管理なども含まれています。

2. 研究

製品の生産効率をアップさせるため、新しい技術の導入を進めるのも製造エンジニアの仕事です。そのために、未知の技術や素材の研究などを行うことがあります。専門的な視点でものづくりを研究し、その結果を生産ラインに活かします。

3. 品質管理・改善・検証

工場で製造される製品の品質維持に関わる仕事も、製造エンジニアの仕事に含まれます。製品の品質が良ければ顧客満足度が上がりますが、反対に品質が下がると顧客満足度が下がるばかりか、企業の評価を下げかねません。

製造エンジニアは、自社の製品の品質を維持・向上のための品質検査の実施をはじめとして、品質管理システムの構築・設計や改善策の提案、実施、品質データ収集・分析などを行います。もし製品に不具合があった場合の原因追及なども併せて行うことも、品質の維持・向上を図る方法の一つです。

4. 生産設備の改善・効率化

安定した品質の製品の製造や生産効率を向上させるために生産設備の改善や効率化を行うのも、製造エンジニアの仕事です。生産ラインのレイアウト変更や設備の更新などにより効率化を図ることで、生産効率アップとコスト削減を目指します。場合によっては、製造手順や設備の設計や見直しも行うことで、生産効率化を行います。

5. 生産設備の保守・管理

製造エンジニアは、製品製造に不可欠な生産設備の保守や管理、いわゆるメンテナンスも行います。定期点検で問題があった場合の修理なども担当し、異常やトラブルが発生することなく正常に生産ラインが稼働できるように努めます。

6. 生産現場における安全確保

製造エンジニアの仕事には、生産現場で従業員が安全に働くための安全確保に必要となる作業内容や作業環境の見直しや改善も含まれます。従業員の安全は生産現場における最優先事項となるため、安全対策や安全管理、安全教育実施などを行います。

7. 新技術・プロセスの導入・推進

新しい技術や設備を導入する際、製造エンジニアはその内容の評価と導入、生産現場への推進を担当します。生産効率向上や製造プロセス刷新のために必要な技術や設備について、導入前の調査を行うこともあります。

製造エンジニアとして働くメリット

製造エンジニアとして働くことには、主に以下のようなメリットが期待できます。

ものづくりに関われる

製造エンジニアの仕事は、直接製造ラインで製品を扱うわけではありませんが、製造工程を支える重要な役割があります。ものづくりに深く関わることができるため、一つの製品ができたときに大きなやりがいを感じられることがメリットです。

未経験からチャレンジしやすい

「エンジニア」という名の付く職種は資格や経験が必須と思われることが多いですが、製造エンジニアは未経験からでもチャレンジが可能です。働きながら現場で必要な知識やスキルを身につけていけるので、未経験からスキルアップやキャリアアップが望めるのは大きなメリットといえるでしょう。

キャリアアップのチャンスが望める

製造エンジニアの仕事は、未経験でも実務で知識やスキルを身につけて経験を積めます。働きながら資格を取得すれば他業種でも活躍が期待でき、キャリアアップにつながる転職のチャンスも望めるでしょう。専門性を高めて製造系の専門家として、または同じ会社で働き続けて管理職を目指すことなども可能です。

製造エンジニアに向いている人の特徴

製造エンジニアとして働くには、一定の特性が求められます。以下の5点に当てはまる人であれば、製造エンジニアに向いているといえるでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

製造業は一人で黙々と行う作業が多く、周囲の人とコミュニケーションを取ることが少ないイメージが多いかもしれません。実際、ライン作業など工場での作業では、コミュニケーション能力が求められないことはあります。

しかし、製造エンジニアの仕事では生産設備の改善や効率化、新しい技術やプロセスの導入などのために他部門との間に立つ必要があります。社内だけではなく社外の取引先とのやり取りが発生することもあるので、おのずと業務上でのコミュニケーションが増えます。情報共有が重要な仕事でもあるため、多くの人とのやり取りが苦にならない人、周囲の声をきちんと汲み取れる人が製造エンジニアに向いています。

機械に興味関心がある人

製造エンジニアは機械に関わる仕事であるため、常に生産ラインなどで使用する機械の導入や保守・管理などで新しい知識を身につける必要が出てきます。機械に興味や関心がないと新しい知識を覚えるだけでも苦労を感じてしまいがちですが、機械が好きで機械そのものに興味や関心があればどんどん新しい技術や知識を吸収できるので、機械への興味関心が強い人の方が製造エンジニアに向いています。

また、製造エンジニアは自分自身の手で工場の生産ラインで使用する設備やシステムに手を加えることもあるため、機械そのものへの興味や関心がそのまま仕事に役立てやすい仕事といえます。

新しい技術を積極的に取り入れられる人

製造業では、生産設備などを改善して効率アップするために、新しい技術や設備を導入することがあります。その業務に直接携わる製造エンジニアは、現状維持でとどまることなく新しい技術を積極的に自社の生産ラインに導入・応用できる人が求められることから、積極的に新しい技術を取り入れられる人の方が向いています。

対応力が高い人

生産設備のトラブル対応やシステム・設備導入時のエラー対応など、製造エンジニアの業務はスムーズに進まないことが少なくありません。問題に対して的確かつ迅速に対処する能力が求められるため、対応力が高い人は製造エンジニアに向いているといえるでしょう。

マネジメント力が高い人

製造エンジニアは、生産ラインに直接関わる仕事です。仕事の良し悪しが企業の生産能力や品質に大きく影響するので、一定のマネジメント能力が求められます。マネジメント力が高い人であれば、適切に生産ラインを効率化して品質管理なども行えるため、製造エンジニアとして高い評価を得ることが期待できます。

製造エンジニアの平均年収

一般的な製造エンジニアの平均年収は、およそ500万〜900万円です。勤務先企業の業種や勤務地のほか、年齢やスキル、経験などによって大きな差があるので、平均年収にも大きな開きがあります。もちろん、未経験者や経験が浅い人よりも、高いスキルや豊富な経験を持っている人の方が担当できる業務の幅が広くなるため、その分年収が高くなります。

製造エンジニアとして働く上でおすすめの資格

製造エンジニアは資格取得が必須ではなく、未経験からでもチャレンジしやすい仕事ですが、資格を取得しているとスキルを客観的に証明でき、活躍の場を広げられます。そこで最後に、製造エンジニアとして活躍したい方におすすめの2つの資格をご紹介します。

生産技術者マネジメント認定

生産技術者マネジメント認定とは、製造業において生産技術者として必要なマネジメントスキルの能力を証明できる民間資格で、「CPE(Certified Production Engineer)資格」とも呼ばれています。CPE-A級とCPE-B級の2種類があり、受験対象はCPE-B級は約5~10年、CPE-A級は10年以上の実務経験がある技術者が対象です。

CAD利用技術者試験

CADに関する資格試験は多数ありますが、CAD利用技術者試験はCADを使った設計や製図スキルを証明できる民間資格です。試験は、2次元・3次元それぞれ1級、準1級、2級の3段階に分かれており、2次元はすべて筆記試験と実技試験が行われ、3次元は2級が筆記試験、1級と準1級が実技試験のみという構成です。

CADは部品などの設計や製作に使用されているため、CAD利用技術者試験でスキルを証明できれば製造エンジニアとして幅広く活躍できるでしょう。

製造エンジニアはさまざまな物の製造に関わる重要な技術職

製造エンジニアは、ものづくりの現場で製造のプロセスに大きく関わる重要な職種になります。製造業の根幹を担う職種ともいえるため、機械などを生産に直接携わりたい方におすすめの仕事です。ものづくりに強い興味や関心がある方は、機械や新しい技術に関わりながら働ける製造エンジニアを目指してみましょう。

ユーザーアイキャッチ画像

エラメク編集部

他のストーリー