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大工の日当相場はどれくらい?職種や経験別に今後の見通しも解説

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エラメク編集部

2025年9月6日 21:37

大工の日当は、職種や地域、経験によって大きく異なります。この記事では、大工全体の平均から職種別、経験別の違い、さらに今後の見通しまで解説します。独立や転職を考える人にとって、日当相場を知ることは収入の安定に直結する重要な情報です。

大工の日当の相場

大工全体での日当はおおむね12,000円〜20,000円の範囲が中心です。(※)見習いは1万円前後からスタートすることが多く、熟練になるほど2万円以上を稼ぐ人もいます。

平均すると15,000円前後が一般的な水準とされており、他の建設職種と比べても中堅以上の位置にあります。(※)特に都市部の大規模現場では単価が高くなる傾向があり、地方との差は数千円にも及びます。

※全建総連東京都連合会「2023 年(R 5 年)賃金調査報告書」参照

年ごとの相場推移と変動要因

大工の日当は景気や建設需要に左右されやすい特徴があります。バブル期には20,000円を超えることも珍しくありませんでしたが、不況期には12,000円程度に落ち込む例もありました。

近年は住宅リフォーム市場の拡大により上昇傾向が見られ、さらに職人不足も単価上昇の要因の1つ。経済動向や人材の供給バランスが相場に直結しています。

大工の働き方と日当の違い

大工の働き方には雇用形態や契約方法によっていくつかの種類があり、それぞれの日当水準にも違いがあります。自分の働き方をどう選ぶかによって、収入の安定性と伸びしろは大きく変わります。

常用大工と手間請け大工の違い

常用大工とは、特定の工務店や元請けに継続的に雇われるスタイルです。日当はやや低めで12,000円前後が相場(※)ですが、安定して仕事が確保されるのが魅力です。

一方で手間請け大工は現場ごとに請け負う働き方で、日当は15,000円〜20,000円と高め(※)ですが、仕事量は景気や人脈に左右されやすいのが特徴です。

※全建総連東京都連合会「2023 年(R 5 年)賃金調査報告書」参照

月給制と日当制の特徴

一部の大工は社員として月給制で働いています。この場合、毎月安定した収入が得られ、社会保険などの福利厚生も充実します。

ただし月給制は日当換算するとやや低めになることが多いです。日当制は働いた分だけ収入になるため、繁忙期には大きく稼げる一方で、閑散期は収入が不安定になるリスクがあります。

職種別の大工の日当

大工といっても仕事内容は幅広く、専門分野によって必要な技術や日当の相場が異なります。代表的な職種ごとにその特徴を見てみましょう。

型枠大工の日当相場

型枠大工はコンクリート建築の基礎をつくる専門職で、体力的にも負担が大きい分、日当は高めに設定されています。

おおむね15,000円〜20,000円が相場(※)で、大規模マンションやビル建設の現場ではさらに高額になることもあります。

造作大工の日当相場

造作大工は住宅の内装や家具取り付けなど、仕上げ部分を担当する大工です。繊細な技術が求められるため、経験豊富な職人は20,000円(※)を超えることもあります。

平均的には13,000円〜18,000円程度(※)で、リフォーム需要の高まりとともに安定した仕事が見込めます。

内装大工の日当相場

内装大工は壁や天井の下地、ボード貼りなどを行う職人です。比較的若い人でも挑戦しやすい分、相場は12,000円〜16,000円程度(※)に落ち着きます。ただし資格や特殊技能を持っていると、より高い日当を得ることができます。

※全建総連東京都連合会「2023 年(R 5 年)賃金調査報告書」参照

経験年数による日当の変化

大工の日当は経験によって明確に変化します。スキルと信頼を積み上げることで、数年で倍近い収入差が出ることもあります。

見習い大工の日当相場

未経験からスタートする見習い大工は、日当8,000円〜10,000円程度(※)が一般的です。最初は雑務が中心ですが、基礎を覚える期間として重要なステップです。

中堅大工の日当

経験5〜10年程度の中堅大工は、日当13,000円〜17,000円(※)が目安です。この層は実際に現場を支える主力であり、技能や段取りの良さによって大きな差が出ます。

親方クラス大工の日当

自ら弟子を抱えたり、現場を仕切る親方クラスになると日当20,000円以上(※)も珍しくありません。さらに元請けとして請け負えば、日当というより「請負金額」としてまとまった収入を得られることもあります。

※全建総連東京都連合会「2023 年(R 5 年)賃金調査報告書」参照

大工の日当を決める要素

同じ大工でも、働く地域やスキルによって収入は変動します。ここでは日当を左右する主な要素を整理します。

地域や現場規模による違い

都市部では建築需要が高く、日当も高めに設定されています。特に東京や大阪などでは、地方より2,000円以上高い水準で推移することが多いです。

また、大規模なマンションや商業施設工事の現場では、一般住宅より高単価が期待できます。

技術力や資格の有無による違い

大工技能士や建築施工管理技士などの資格を持っていると、現場での評価が上がり、日当も高くなる傾向があります。プレカット技術や最新建材の知識など、専門スキルがあるとさらに有利です。

今後の大工日当の見通し

今後の大工の日当は、社会的な要因や建設業界の需要と深く関わっています。

職人不足がもたらす影響

少子高齢化により大工人口は減少しており、若い世代の参入も少ないのが現状です。そのため今後は職人不足が深刻化し、日当の上昇要因になると考えられます

特に技能を持つベテラン大工は引く手あまたで、単価の高騰が見込まれます。

建設需要や景気との関係

景気の良し悪しや公共工事の増減も大工の日当に大きく影響します。住宅需要やリフォーム市場が堅調である一方、景気が冷え込むと民間建築が減少し、相場は下がる可能性もあります。

ただし、長期的にはインフラ整備や省エネ住宅の普及などで安定した需要が見込まれるため、日当相場も底堅く推移することが予想されます。

大工の日当に関するよくある質問

Q. 大工の日当の平均はいくらですか?

A. 大工全体の平均はおおむね15,000円前後で、職種や地域、経験によって12,000円〜20,000円の幅があります。

Q. 見習い大工はどれくらいの日当をもらえますか?

 A. 見習い大工は8,000円〜10,000円程度が一般的で、経験を積むにつれて徐々に上がっていきます。

Q. 大工の日当は地域でどのくらい差がありますか?

A. 東京や大阪など都市部では、地方より2,000円以上高い水準になることが多いです。

Q. 大工の日当は今後も上がりますか?

A. 職人不足やリフォーム需要の増加により、長期的には上昇傾向が続くと考えられます。

Q. 資格を持つと日当は上がりますか?

A. 大工技能士や施工管理技士などの資格を持っていると、現場での評価が上がり、日当も高くなる傾向があります。

大工の日当は上昇傾向

大工の日当は、職種や地域、経験によって12,000円〜20,000円を中心に大きな幅があります。見習いは1万円未満から始まりますが、経験を積めば2万円以上も可能です。職人不足や建設需要の増加を背景に、今後も日当は上昇傾向にあると考えられます。安定した収入を得るには、自身のスキル向上と資格取得、そして働き方の選択が重要なカギとなるでしょう。

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