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製造業に20代で転職するには?現場や20代で転職するポイントを解説

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エラメク編集部

2025年6月25日 16:09

製造業の従事者は20代をはじめとした若い世代が減少しているといわれており、若者離れが製造業に及ぼす悪影響も指摘されています。しかし、製造業は20代におすすめの業種ともいえます。製造業で若者離れが進んでいる理由と影響を、20代が製造業に転職する際のポイントとともに解説します。

製造業で若者離れが進んでいるといわれる理由

製造業で若者離れが進んでいるのは、日本が抱える問題に加えて業界が抱える特有の問題も関わっています。ここでは、製造業で若者離れが進んでいる具体的な理由を解説します。

少子高齢化

日本の少子高齢化は、年々進行しています。高齢者が増える一方で若い世代が減るということは、働く世代が減ることを意味します。内閣府が公表している令和5年版高齢社会白書※でも、生産活動を行う15〜64歳の生産年齢人口は令和7年(1995年)をピークに減少していることが明らかになっています。

令和5年版高齢社会白書

近年、業種を問わず若い世代の働き手が減少しており、全体として労働力人口の減少が進んでいます。特に製造業では、工場の多くが都市部ではなく郊外に位置していることや、若年層の都市部への流出が続いていることなどから、若者の離れが進んでいるといえます。

製造業に対するネガティブなイメージ

製造業は、いわゆる「きつい」「汚い」「危険」の「3K」というネガティブなイメージがあると言われており、そもそも製造業の仕事を避ける人が多いのも、若者離れが起こっている理由の一つです

もちろん、すべての製造業の仕事が3Kではありません。しかし、いまだに根強く残る「製造業=3K」のイメージのために、若い世代が製造業を避けてしまう状況が少なからず続いています。

雇用の不安定さ

製造業の仕事は契約社員や派遣社員、パート・アルバイトといった非正規雇用で働いている人が多いという特徴があります。非正規雇用から正規雇用となり正社員で働けることはあるかもしれませんが、すべての人が正社員になれるとは限らず、非正規雇用は安定して働けないと判断され、若者が離れる要因となってしまいます。

また、製造業は世界情勢などに左右されることが多い業種です。場合によっては、勤務先の工場が閉鎖になったりリストラで人員削減となる可能性もあることも、製造業が雇用が不安定と判断される理由です。

待遇の悪さ

製造業、特に工場勤務は単純作業を1日中立った状態で行うことが多くあります。初めは仕事内容が比較的難しくはないものの、体力が求められる仕事で、しかも夜勤が発生することも珍しくありません。

また、製造業は給与水準が低めだといわれます。体力を要する上に深夜勤務も発生する仕事ながら給料が低いと、もっと仕事に見合った給料をもらいたいと思う若者は製造業を離れていってしまうでしょう。

ワークライフバランスの悪さ

近年、仕事とプライベート両方のバランスが取れた状態を示す「ワークライフバランス」は、働く上で重要とされています。ところが、製造業の仕事は土日祝日、夜間も関係なくシフト制で働かなければならないことが多く、ワークライフバランスを取れない仕事という印象が強くあります。

世間一般でワークライフバランスを意識した制度や待遇を取り入れている企業が増えている中、製造業の仕事はその流れに反するという印象が強いため、ワークライフバランスの悪さも若者離れにつながっていると考えられます。

若者離れが製造業に及ぼす影響

全業種で働く世代が減少している中、製造業での若者離れは業界に悪影響を及ぼす要素となります。なぜ若者離れの影響がそこまで大きいのか、主な理由は以下の3点です。

1. 労働力が減少する

体力があり新しい知識や技術を吸収できる若者は、製造業における労働力の要ともいえる年代です。若い世代が製造業から離れてしまうと、比較的高齢な従業員のみが残ることとなり、労働力が顕著にに減少してしまいます。

2. 高齢化が進行する

生産年齢人口が減少している一方で、65歳以上の高齢者の労働人口が増加していることが明らかになっています。製造業で若い世代が離れていくと、当然ながら従業員の高齢化が進んでいくことが考えられます。

3. 技術の引き継ぎが困難になる

若い世代が実務を通して身につけたスキルは、次の世代への技術継承につながっていくものです。若者が製造業から離れていくと技術を継承する人もいなくなるため、後継者不足により工場や製造業の存続にも悪影響が及ぶことが考えられます。

製造業で行われている若者離れ対策

若者離れは製造業に悪い影響を及ぼす原因となりかねません。若者離れを防止するために、製造業ではさまざまな対策を行っています。

労働環境の改善

働きやすい労働環境づくりは、重要な若者離れ対策の一つです。若者離れ対策として、「3K」を払拭するクリーンで安全に働ける環境の整備を実施している企業があります。また、ワークライフバランスを重視する傾向が強い昨今、工場以外の業務でフレックス制などを取り入れるなどが実施されています。

キャリアパス制度やスキルアップ制度の導入

製造業は、働き続けてもキャリアを築くことが難しい印象が強い業種です。そこで、評価制度やキャリアチェンジの機会を設けるなどのキャリアパス制度、研修実施などのスキルアップ制度も、若者離れ対策として有効といえるでしょう。

ITの導入

ITを導入し、働く従業員の負担を軽減を図る企業も増えています。工場内の一部工程のロボット化や業務を効率化するシステムの導入などを取り入れることで無駄を省いて働きやすい環境整備を行うことが、若者離れ対策の一策となります。

20代が製造業で働くメリット

労働環境が悪い「3K」という印象や雇用の不安定さなど複数の要因により、製造業で働くことを敬遠している20代は多いかもしれません。しかし、製造業は実際には働くメリットが多い業種です。

未経験でも働きやすい

製造業は、経験がなくても働きやすいのが大きなメリットです。単純作業が多いので、未経験者でも一から仕事を覚えて働けます。就業経験がない20代には、チャレンジしやすい業種といえるでしょう。

人手不足のため需要が高い

製造業は若者に限らず人手が不足している現場が多いので、比較的需要が高い業種です。高齢化も進んでいることから若い世代を積極的に採用する企業が多いので、20代が働けるチャンスが多いでしょう。

経験を積むことでスキルが身につく

未経験から始めても、さまざまな仕事を経験することで働きながらスキルを身につけられる機会が得られます。工場内の作業以外の仕事に積極的に関わることができれば、幅広く役立つスキルを身につけられるでしょう。

集中して働きやすい

工場出の作業は単純作業が多いですが、一人で黙々と行うことが多い仕事です。他の人と関わる時間が少ないので、集中して働くのが好きな人、一人で長時間働くことが苦ではない人にとっては最適でしょう。

20代が製造業に就職・転職をする際のポイント

製造業は若い世代の需要が高い業種なので、20代が就職・転職をするには適した業種といえるでしょう。とはいえ、すべての製造業の仕事や労働環境が同じではなく、企業によって大きな違いがあります。自分に適した製造業の仕事に就くには、以下のポイントをチェックしてみましょう。

求人内容を事前にしっかりチェックする

就職・転職の際は必ず求人をチェックしますが、まずはしっかりとその内容をチェックしましょう。ここで確認を怠ると、仕事が始まった後に思っていた仕事や環境と違ったなどのミスマッチが起こってしまいます。応募前に求人内容をよく確認し、不明点がある場合は直接企業へ問い合わせてみましょう

転職エージェントを利用する

転職エージェントでは求人紹介のほか、応募書類の書き方やアドバイス、面接対策などもサポートしてもらえます。20代などの若年層を対象とした転職エージェントや製造業に特化した転職エージェントもあるので、初めて就職・転職をする人は積極的に利用してみましょう。

製造業に特化した転職サイトを活用する

転職サイトは、多数の職種を取り扱う総合転職サイトから、特定の業種を専門としたサイトまでさまざまです。最初から製造業で働くことを目指しているのであれば、製造業特化の転職サイトを活用しましょう。製造業のみで求人を探せるので、効率的に転職活動を進められます。

工場見学を行い具体的な業務のイメージをする

工場での勤務を希望している人は、応募前に志望する企業の工場見学をしてみましょう。実際に働く工場の環境や仕事内容を直接目にできるので就職後をイメージしやすくなり、ミスマッチも防げます。

事前に気になる点は面談や面接で解消をする

製造業に限ったことではありませんが、選考過程で応募先の求人や企業に対して質問や疑問等の気になる点が出た場合、そのまま放置していると就業後のミスマッチにつながる可能性があります。気になる点は面談や面接で質問をして、解消しておきましょう。

口コミサイトで会社・工場の評判を確認する

ネット上には、非常に多くの会社や工場の口コミが掲載されています。口コミでは、求人情報や工場見学だけではわからない部分や異なる点など、その企業や工場で働いた人の感想や評判で確認できます。実際に働いてから起こるミスマッチを防ぐ対策にもなるので、求人に応募する前に口コミサイトで評判をチェックしておきましょう。

20代で製造業への就職・転職を検討してみよう

製造業は、一部の悪いイメージなどによって若者離れが進んでいる業種といわれています。しかし、労働環境の改善などの取り組みを行い、20代をはじめとした若い世代の就業促進を目指す企業も増えています。製造業は、20代の転職先として良い環境が整った企業もあるので、これから転職を目指す方は製造業も候補として、検討してみてはいかがでしょうか。

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