1960年の創業以来、愛知県豊川市に本社を置く宇都宮工業株式会社は、金属プレスや板金加工を中心に、住宅用金物部品から自動車の内外装部品、遮熱材まで、幅広い製品を手がける「ものづくり」企業です。設計・開発から金型製作、量産までを自社で一貫して行う体制を強みとし、多品種・小ロットにも柔軟に対応できる生産力と高い品質管理で、顧客から厚い信頼を集めています。最新設備を備えた工場と、住宅メーカーや自動車部品メーカーとの長年の協力関係により、安定した供給と技術力を両立。暮らしや産業を支える部品づくりを通して、地域に根ざした発展を続けています。
今回は本社製造部のプレス部門で活躍する、中途入社8年目で主任を務める森下さんと、新卒入社4年目の鈴木さんに、入社の経緯や技術が身につくまでの道のり、働く環境について語っていただきました。
未経験から飛び込んだ、ものづくりの現場
宇都宮工業に入社したきっかけを教えてください
森下さん:前職では、土木関係のコンクリート二次製品をつくる工場で、生コンクリートを練ったり、型枠に流し込んで製品を成形したりする現場の仕事をしていました。転職を考えたきっかけは、結婚を機に、これからの生活を見据えて給与や働き方を見直したいと思ったことです。できれば夜勤のない仕事を希望していましたが、職種を限定せず、自分の経験を活かせる仕事を探すなかで出会ったのが宇都宮工業でした。
選考中に工場を訪れてまず感じたのは、「とても綺麗な会社」、ということです。ただゴミが落ちていたり物が乱雑に置かれていないだけでなく、どこに何があるかが一目でわかる工夫や作業者やフォークリフトなどの乗り物が現場でスムーズに作業しやすい動線が整っており、2S5定の考え方が浸透した働きやすそうな環境という印象を受けました。また、前職の土木系の製造現場では、年齢を重ねるなかで身体への負担を感じているベテランの方もいましたが、宇都宮工業では1度に持ち上げる重量物には制限が決まっていたり、できるだけ腰が痛まないような姿勢で物を運ぶために置き場所の改善が進んでいたりと、無理なく安全に仕事を続けられる環境づくりが行われていて、ここなら長く働けそうだと感じました。実際に入社して8年になりますが、その印象は変わっていません。日々の仕事で新たな挑戦やそれに伴う大変さもありますが、良い意味で「普通」に働き続けられる環境だと感じています。
鈴木さん:学生時代は危険物の取り扱いやプログラミングが得意で、総合学科の学校で幅広い分野を学んでいました。当時は明確にやりたい仕事が決まっていたわけではなく、日勤で、自分なりの基準に合う給与であることを条件に、安定している印象のあった製造業を中心に就職先を探しました。実は、最初から宇都宮工業が第一志望だったわけではありません。別の会社とはご縁がなく、二次募集をきっかけに当社を知りました。その時点では他の会社も検討していましたが、実際に工場を訪れて雰囲気を肌で感じたとき、一気に志望度が上がりました。
それまで工場には少し暗いイメージを持っていたのですが、実際に訪れてみると建物がきれいで新しく、良い意味で想像と違っていて驚きました。また、「希望するなら枠を用意するよ」と声をかけていただき、こちらを迎え入れようとしてくれていることが伝わってきたのも、今も心に残っています。
さらに、製品を見せてもらった際には、その幅広さにも目を見張りました。金属でここまでできるのか、と可能性を感じたんです。特にレーザー加工でつくられた猫のスタンドは、複雑な形状がきれいに仕上げられていて、とても印象的でした。
製造の最初の工程を担う。プレス部門の仕事

お二人が所属しているプレス部門では、どのような仕事に携わっているか教えてください
森下さん:プレス部門で担当するのは、コイル材やスケッチ材といった金属材料をプレス加工し、住宅関連部材や自動ドアの部品、ソーラーパネルの部品などを成型する領域です。プレス工程で加工したものがそのまま出荷されるものもあれば、そこから組み付けの部門に渡るものもあります。製造における一番最初の工程を担う部門なので、ここでの仕事が後の工程にもつながります。
鈴木さん:私は一般作業者として、順送プレスを担当しています。1日の仕事は、まず日常点検を行い、機械の安全確認や、金型を準備して量産を始める製品の品質をチェックすることから始まります。その後、その日の計画に沿って量産に入るという流れです。実際に機械を動かして製造するだけでなく、きちんと基準通りの製品ができているか、機械に異常がないかを常に確認することも大切な仕事です。通常や基準から変化がないか目と耳で感じ取ることを意識しています。
森下さん:私は実際の作業だけでなく、チーム全体の管理も行います。仕事は、前日に組んだプレス工程をホワイトボードに記載するところから始まります。そのあとは、使用機材の返却や材料の納入チェック、生産準備、日報の集計・入力などを進めます。製造中にトラブルが起きた場合には、その対応に入ることもあります。
プレス部門に配属されると、機械操作や機械調整の技術、測定器を扱うスキルを身につける必要がありますが、入社時のスキルは問いません。ただ、一つひとつの作業を丁寧に進める必要があるので、コツコツ取り組めるタイプの方が向いている仕事だと思います。
鈴木さん:森下さんが仰っていることに加えて、高い集中力も必要だと感じています。製造過程で起こるトラブルにいち早く気づくためには、金型や材料の見た目、機械から出る音など、普段とのちょっとした変化を見逃さないことが重要です。以前、製造しているときに、いつもとは違う音が一度だけしたことがありました。すぐに機械を止めて確認したところ、ストリッパーという部分が取れていたんです。こうした異変への気づきは、最初から身についているものではありません。日々の仕事を続け、経験を重ねることで、「いつもと違う」と感じられる感覚が少しずつ養われていくのだと思います。
改善が形になる面白さ。仕事のやりがい

仕事のやりがいを感じたエピソードを教えてください
鈴木さん:私たちの仕事は区切りがあまりなく、毎日コツコツと作業を重ねるため、日常のなかで大きなやりがいを感じる瞬間は、そう多くありません。ただ、そんななかでも、自分の取り組みが評価されたときには達成感があります。
宇都宮工業では、トヨタ生産方式に則った改善活動を会社としてすすめており、改善によって日々の仕事の効率を上げたり、工数を削減したりと、今よりも仕事を良くしていく取り組みが当たり前に行われています。取り組みの内容によって点数がつけられ、点数がボーナスとして給与に上乗せされるだけでなく、改善の規模や難易度によっては全社で表彰していただくこともあるんです。年間を通した発表順位も出るので、自分たちが頑張ったことをきちんと評価してもらえるのは、モチベーションにつながります。普段何気なく行っている作業にも、もっと効率よくできないかと目を向けることで、新しい改善点が見えてきます。
私自身は、生産効率の改善に取り組みました。半自動で製品を流す機械が、途中で少し停止してしまうことが多いという課題がありました。そこでまずは、繰り返し止まる箇所をよく観察し、原因を推察。調べていくと、クランパーと呼ばれる、ワークを吸着して次の金型へ自動搬送する装置の、クランプする力が弱いことが分かりました。装置を調整したところ、機械が止まることが減り、生産効率を上げることができたんです。
自分で原因を考えて改善した結果が、実際の生産効率という形で表れたことは、非常にうれしかったです。頑張った分だけ成果として返ってくるところに、大きなやりがいを感じました。自分の工夫によって日々の仕事が少しでもやりやすくなり、それが周囲の作業にも良い影響を与えられる。そこに、改善活動ならではの面白さを感じています。
未経験でも安心して技術を学べる教育体制と、働く環境

製造に関する知識やスキルは、入社後どのように身につけられるか教えてください
鈴木さん:入社した当初は、私も機械操作などのスキルはまったくありませんでした。最初は教育係の方につきっきりで機械の操作を教えてもらいながら、仕事を覚えていきました。実際に機械を触りながら、操作の仕方だけでなく、どこを確認すればいいのか、どんなことに注意すればいいのかも、一つずつ教えてもらいました。最初から一人で任されるわけではなく、教わったことを実際の作業で繰り返しながら、少しずつできることを増やしていった感じです。分からないことがあればその都度確認しながら進め、入社して1年ほど経った頃には、一人でも作業できるようになりました。何も分からなかったところから、自分で機械を扱えるようになったことは、大きな成長だったと思います。
森下さん:プレス部門は、覚えることが多い部署です。機械によって扱い方が違い、それぞれ異なる動きをするので、一台ずつ覚えていく必要があります。材料を一定のピッチで送り穴あけや曲げなどの複数工程を連続して行う順送プレスや、材料供給から各工程の搬出入が自動化されたラインペーサー、60t~200tまでの重さの単発プレス機など、同じように見えても種類や扱い方が異なる機械の特徴を理解することが大切です。だからこそ、入社したばかりの方に一度にすべてを覚えてもらうのではなく、段階を踏んで身につけてもらうようにしています。
鈴木さん:私自身も、最初からすべてを覚えようとするのではなく、目の前の作業を一つずつ覚えていくことで、徐々に仕事が分かるようになりました。機械の操作も、繰り返すなかで自然と身についていったと思います。
森下さん:新人教育でまず伝えるのは、安全に関する内容です。工場で機械を扱うことになったら、はじめに危険なポイントや安全装置について説明し、安全に作業するための知識を身につけてもらいます。ここには1週間ほどかけています。
その後は、測定器の使い方などをレクチャーします。こちらは1〜2日ほどですが、習熟度を見ながら、それより早く実際の作業へ移ることも多いです。ある程度できるようになってきたら、先輩や周りの社員と隣り合って作業してもらい、分からないことがあればすぐに聞けるようにしています。そうして日々の仕事を重ねながら、機械ごとの違いや作業のポイントを覚え、1年ほどかけて一人で仕事ができるようになっていくイメージです。一人前になるまでしっかりサポートしますので、ぜひ安心して挑戦してください。
プレス部門の働く環境について教えてください
森下さん:職場の人間関係は、気さくで話しやすい雰囲気です。今は20代から30代の若手が半分ほどを占めていて、ベテランには60代の方もいます。人数は全員で10数人ほどなので、社員同士の距離も近いですね。仕事中も、分からないことがあればお互いに聞き合いながら進めています。「ちょっと聞きたい」というときにも声をかけやすい雰囲気があるので、一人で抱え込まずに仕事ができる環境です。
鈴木さん:休憩中も、同僚と話すことは結構あります。同世代の人とは最近の流行りについて話したり、上の世代の方とは野球の話をしたり。特にプロ野球の話をすることも多く、世代が違っても共通の話題があるので、自然と会話が生まれます。それと、休暇が取りやすいところも働きやすさの一つです。私は野球観戦に行くことが多いので、2〜3日連続で有給休暇を取ることもありますが、これまで申請が通らなかったことはありません。休んだ分だけ仕事がたまると、つい休暇をためらってしまいがちですが、そうした心配もあまりないですね。実際、1〜2カ月に1回くらいのペースで有給を取っていますが、周りにも理解してもらえているので、プライベートの予定も大切にしながら働けています。

宇都宮工業で働くうえで、今後の目標を教えてください
鈴木さん:私はまだまだ学ぶべきことが多いと思っているので、まずはもっとプレス機について覚えていきたいです。機械ごとに扱い方や特徴も違うので、一つひとつ経験を積みながら、自分で判断して対応できることを増やしていきたいですね。また、同世代の社員とも、学んだことや仕事で得た気づきを共有しながら、一緒に成長していけたらと思っています。自分だけでなく、周りの人とも知識や経験を共有することで、チーム全体の力を高めていきたいです。
森下さん:主任として、今取り組んでいるプレス工程の改善を、これからもどんどん進めていきたいです。日々の仕事のなかで「ここを変えたら、もっと良くなる」という部分を見つけ、一つひとつ改善していくことが、より良い環境や生産につながると思っています。現場で働く人にとって仕事がしやすく、効率よく生産できる環境を目指しながら、これからも改善に挑戦していきます。
最後に、特にこの記事を見られている方に向けて、どんな人と働きたいですか?
森下さん:最初から機械に詳しい必要はありません。プレスの仕事では、安全を大切にしながら、一つひとつの作業を丁寧に覚えていくことが前提ですし、その点をしっかりサポートしていきます。私たちもそばで教えますし、仕事に慣れてきたら「もっとやりやすくできないか」と一緒に考えてくれる方と働けたらうれしいです。
鈴木さん:挑戦すること自体を評価してくれる会社なので、普段から「いつもと違うな」、「もっとこうなったらいいのに」と小さな変化や問題に気づき改善の意識を向けられる方はどんどん成長でき評価される環境だと思いますし、そのような方とぜひ一緒に働きたいです。私も入社したときは、プレス機のことを何も知りませんでしたが、一歩ずつ覚えていけるので、未経験でも安心して飛び込んできてください。





.png&w=3840&q=75)
.png&w=3840&q=75)
.png&w=3840&q=75)
