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製造業の将来性?現状の動向や課題と今後の変化について

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エラメク編集部

2025年3月4日 0:35

製造業は、「少子化や高齢化により人手不足が深刻化している」、「将来AIに仕事が置き換えられる」という話をよく耳にしますが、実際にはどうなのでしょうか。本記事では、現在製造業が抱えている課題や今後の動きなど、製造業の将来性についてご説明します。製造業への転職を考えている方や、これからも製造業で働くべきか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

製造業の将来性はあるのか?

AIの導入やデジタル化が進む中、製造業に将来性があるのか疑問に思う方もいると思います。結論として、製造業に将来性はあります。今後も人が手を加えていく場面は多くあり、業界によってはこれから伸びていく業界もありますので、転職を考えている方もおすすめです。具体的に製造業の将来性についてご説明していきます。

製造業の現状や動向

製造業で今問題とされている【2025年の崖】は、少子高齢化による人手不足や既存システム不足など、様々な問題のことを総称した現象です。DX推進に企業が対応できなかった場合、毎年最大12兆円の経済損失が生じると試算されています。対応が遅れるにつれ、2030年問題や2050年問題と、長期的に発展していくため、持続可能な組織や技術革新が求められます。

製造業の課題と今後

製造業の今の課題を理解し、今後どう解決していくかによって、将来性が変わっていきます。現状の取り組むべき問題について見ていきましょう。

人手不足

どの業種も人手不足と言われますが、製造業も例外ではないです。国内製造業就業者は年々減少し、2002年から2019年の約20年の間に、11.6%も減少しています。今後は外国人労働者や国内人材の育成はもちろん、女性や高齢者など多様性のある社会を目指すのが理想です。

後継者不足

少子化による人手不足は、後継者不足にも影響しています。日本のものづくりの文化は海外でも評価が高いですが、技術を持つ人の高齢化により後を引き継ぐ人がいないのが現状です。若年層の入職者が少なく、過酷な環境で離職率も高いので、働く環境の見直しが問題となっています。

AIの導入

人手・後継者不足問題が深刻化しているため、積極的にAIの導入をしている企業が増えています。これにより品質の安定や、人手不足の解消・効率化など生産性が安定します。

カーボンニュートラル

製造業のco2排出量の削減は、温暖化対策にもつながりSDGSの目標のひとつ「つくる責任、つかう責任」に関係します。他の先進国に比べると、日本のカーボンニュートラルに対しての意識が低く、2030年までに温室効果ガス46%削減が目標です。省エネや再生可能エネルギーを使用することで、無駄なエネルギーの消費を抑えることができ、コスト削減にもつながります。

グローバル化

韓国や中国など新興国も市場に参入するため、日本も対抗するために対応が必要です。具体的には、中小企業への支援・人材育成・戦略的技術分野の強化など、グローバル競争で突出するためには、上記3つの行いを積極的に進める必要があります。

2025年の崖

DX推進に対応しなかった場合の損失の大きさについて先ほど触れましたが、現状は中小企業のDX推進の理解度はまだまだ低いです。従来のシステムを使ったレガシーシステムでは、世界の情勢についていけず、機会損失する可能性が高いため改善する必要があります。

製造業が将来性があると言われる理由

AIの導入後の管理者の必要性

いつの時代も機器の設計を見直したり計画を立てたり、材料や素材を変更する判断は人間がします。設備のメンテナンスは、技術が発達しても人の手が必要なため、不要になることはないです。業種や工程によっては、人の手でした方が確実で早い場合もあります。

人にしかできない作業がある

生きていく上でものづくりは必要不可欠なので、製造業が人の手から完全に離れることはないです。人の感性や経験が必要な作業であり、AIの導入にはまだまだ時間がかかります。また、機械に不備が出た場合のメンテナンスや管理や監視など、オペレーターの存在は必要です。

将来性のある製造業【業種別】

AIの導入により仕事がなくなるという話がありますが、将来性のある製造業はたくさんあります。例として4つの職種について見てみましょう。

化学工業

ゴムやプラスチックの他にも、コロナワクチンなどのワクチン開発、ヘルスケアなどを取り扱う化学工業です。GoogleやAppleなどの大手企業も積極的に投資し、注目されています。少子高齢化のため、介護製品の需要もますます増え将来性に期待できます。

電気機械

スマホやパソコンなどに必要な電子機器や半導体などを扱う業種です。コロナ禍の影響により生産ラインが減少したり、世界の情勢によって供給停止したりと、今後も不安定になる可能性があります。ただ、IT技術の発展が目覚ましく、革新的な技術の導入やIT機器が開発されていくため、将来性の高い業種と言えるでしょう。

倉庫・物流

IT導入やドローンや自動車技術の発達による生産量の増加に伴い、倉庫の必要性も高くなると予想されている倉庫物流業界です。ドライバー不足に対してもまだ課題が多く残っていますが、年間の時間外労働が960時間までになる2024年問題、AIの導入による作業効率の改善など、業務改善が進んでいます。

食品

フードデリバリーや健康食品への需要が近年高まっており、高齢化に伴って健康に関心が高まっていくでしょう。新商品の開発はもちろん、既存商品のブラッシュアップを行う企業が増えています。食事は生きていくためには欠かせないため、これからも新規開拓が予想される職種です。

製造業で働く上で身に付けておきたいスキル

製造業の将来性を上げるためにも、身に付けておきたいスキルをご紹介します。未経験でも応募資格があるものも多くあるので、取得しておいて損はないです。

ITリテラシーを高める

デジタル化やスマートファクトリー化が予想されるため、ITリテラシーの向上が必要です。生産プロセスの自動化やデータ分析、機械や設備のメンテナンスなど、ITリテラシーが高いことで業務の効率化や生産性の向上につながります。具体的には、エクセルやクラウドツールによる業務効率化や、情報漏洩やサイバー攻撃などのセキュリティのスキルに役立ちます。

語学力を身につける

グローバル化が進むにつれ、海外進出する企業が増えると予想されます。企業のニーズが高まっているため、日商ビジネス英語検定・国連英検など資格を取得することで、キャリアアップにもつながるでしょう。

マネジメント力をつける

企業全体を把握するために経営戦力や人材育成などのマネジメントは欠かせないです。生産計画・生産管理などの生産マネジメントや、従業員個人の経験や知識などを可視化するナレッジマネジメントなどがあります。管理職や工場長以外にも、新人研修や教育する際にも役立つため、キャリアアップを目指す方にもマネジメント力を向上させるのがおすすめです。

製造業が今後も生き残るための解決策

製造業に求められることはものづくりだけでなく、業務の効率化や人材育成などのマネジメント力も必要です。今後のために製造業に求められていることをご紹介します。

サプライチェーンの強化

原料から加工し、商品やサービスがユーザーまでに届く一連の仕組み、サプライチェーンに注目が集まっています。世界の情勢によってサプライチェーンが不安定になるため、強化することが必要です。新興技術との紐づけ・サスティナブルな取り組み・リスク管理などを改善することで、機会損失を防ぎます。

DX推進

デジタル技術を活用し、仕事のプロセス・提供する製品を活用させることです。少子高齢化による労働力不足のため、AIの導入による業務改善やグローバル化など、製造業にとって大きな影響を及ぼします。

製造工程のIot化

モノとインターネットをつなげる技術。センサーやカメラと連動させることで、製品についての不備やロスが見つけやすくなります。データが蓄積することで、情報を基に改善や課題の抽出もできます。今後は、職人レベルの技術を機械が代用できる可能性が期待されます。

働き方改革

製造業ではまだまだ離職率が高いため、ワークライフバランスを重視することが課題です。過度な労働環境のイメージの払拭や、人材の定着率をあげるべく、働き方改革をする必要があります。フレックスタイム制や在宅勤務などが働き方改革の指針としてよく聞きますが、製造業におけるものづくりは現場での作業です。生産や加工などの現場での業務を効率化させるなど、現場の特性に合わせた改革が求められます。

新しいモデル事業を進める

日本のものづくりは製造業の代表ですが、近年ビジネスモデルの形が変わっています。従来は商品を所有することに価値を見出す「モノ」の消費が中心でしたが、近年「コト」の消費が注目されています。商品やサービスに対しての体験に価値を見出す方が増え始め、アクティビティやイベント・伝統行事などの体験など、その場で体験できるものを求められます。ものづくりにおいても使い捨てではなく、繰り返し使える・製品に付加価値をつけることが大切です。

補助金や助成金を活用する

大規模な設備投資には多額の金額が発生しますが、それらを補うために政府の補助金制度が用意されています。事業再構築補助金・ものづくり補助金・IT導入補助金など、用途に合わせた制度を活用していきましょう。

製造業は将来性があり必要な職業

製造業の仕事は、将来性がないと言われることもありますが、AI導入や技術が進化したとしても必要な仕事は多くあります。本記事で紹介した課題や現状の見直しをすることで、業界全体に期待が持てます。製造業に転職を考えている方、今働いている方は、スキルを身に付けてキャリアアップを目指すことはおすすめです。

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