運送業はやめとけと言われる理由は?実態と転職時のポイントを解説

エラメク編集部
2025年6月24日 11:33
運送業で働くことに対して「やめとけ」という声を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。ブラック企業ばかりで重労働、肉体的にもキツい仕事という印象により、運送業はそのようなイメージが強い業界といえます。しかし、実際は全ての運送業がブラックではありません。そこで本記事では、「運送業はやめとけ」と言われる理由に加えて、仕事のやりがいや転職の際のチェックポイントなどを解説します。
「運送業はやめとけ」と言われる10の理由

なぜ、「運送業はやめとけ」という声が聞かれるのでしょうか。その理由として、以下に10つの理由が考えられます。
1. 長時間労働が多い
運送業の中でも、長距離ドライバーは、長時間の移動が伴うため労働時間が長くなってしまいます。一般的な労働時間は8時間であるのに対し、長距離ドライバーは13時間、最大16時間であるため、他職種よりも長時間労働が多いことが「やめとけ」と言われる大きな理由となっています。
2. 体力的にキツい
長時間労働が多いと、必然的に体力を消耗します。長時間の運転に加えて荷物の積み下ろしも発生するため、体力的にキツいと感じる人が多いのも、運送業の仕事の特徴といえるでしょう。
3. ブラック企業という印象が強い
運送業の場合、長時間労働だけでブラック企業とは判断できないものの、残業代の未払いや有給消化ができない環境、休憩を十分に取れないなどのブラック企業は存在していると言われています。そのため、運送業全体が「ブラック」と思われがちであることが、「やめとけ」と言われる理由となっています。
4. 仕事内容に見合った給与が得られない
労働時間が長く体力的にもキツいにもかかわらず、給与条件が悪い企業もあります。仕事内容に見合った給与が得られないとブラック企業と印象付けられ、結果的に運送業=ブラックと考えられてしまうのです。
5. 事故のリスクがある
運転をしている限り、事故のリスクはついて回ります。長時間運転をする場合、そのリスクは高くなります。中でもトラック運転手が労災の取得件数が多い職業ということも、「運送業はやめとけ」と言われてしまう理由です。
6. 交通違反のリスクがある
事故のリスクに加えて、運転をしていると交通違反のリスクも上がります。万が一交通違反をした場合や事故を起こした場合、免許取り消しとなるケースもあり、免許取り消しとなると当然ながら運転を伴う仕事が続けられなくなることも、運送業のデメリットであり、やめとけと言われる理由の1つです。
7. ノルマや納期に追われる
勤務先にもよりますが、課されたノルマや納期に追われることがあるのも、運送業が「やめとけ」と言われてしまう理由です。荷物の到着に間に合わせるために時間に追われるプレッシャーを毎日の業務中に感じてしまうと、精神的なストレスになることも十分考えられます。
8. 生活習慣が不規則になる
深夜の長距離運転が伴う業務では、どうしても生活が不規則になりがちです。生活リズムが整わずに体調に悪影響を及ぼし、プライベートに悪影響を及ぼすことがある点も、運送業のイメージを悪くしています。
9. 事故等を起こした際のペナルティが大きいことがある
事故を起こした場合、違反点数が加算されるのはもちろんですが、さらにペナルティを受ける可能性があります。事故によって運ぶ荷物や車両に損害があった場合、それらの一部または全部を弁償しなければならないこともあるため、ペナルティが大きくなる点は運送業で働くリスクが高いといえるでしょう。
10. 運送業そのもののイメージが悪い
ここまで解説したような多くの理由があることから、運送業で働くことに対するイメージが悪くなっています。すべての運送業の企業に当てはまるとはいえないものの、ごく一部のイメージが拡大解釈され、運送業全体が悪い業界というイメージが付いてしまっているのが、「やめとけ」と言われてしまう大きな理由の一つです。
運送業のやりがいとメリット

イメージの悪さや勤務体系、仕事内容などによって「やめとけ」と言われてしまうことがある運送業ですが、当然ながらすべての運送業の仕事が悪いものではありません。運送業の仕事には、以下のようなやりがいやメリットがあります。
ドライバーとしてのスキルを身につけられる
車の運転が好きな人にとっては、運送業でドライバーとして働くことはメリットややりがいを多く感じられます。毎日好きな運転をしながら仕事をこなせる上、ドライバーとしての運転スキルも身につけられます。ドライバーとして活躍したいのであれば、運送業はこれ以上ない仕事といえるでしょう。
社会貢献ができる
運送業は、人々の生活に欠かせない食料品や日用品などの配送にも関わる仕事です。運送業がなければ物流は滞り、思うように生活を送ることができなくなってしまうでしょう。また、企業間でやり取りをする荷物を運ぶのも重要な仕事なので、多くの人に必要とされる、社会を支える仕事として社会貢献ができることは、運送業の大きなやりがいです。
マイペースで仕事を進められる
運送業でドライバーとして働く場合、一人で仕事をすることがほとんどです。上司や同僚、部下とのしがらみがあまりないので、マイペースで仕事を進められることは、運送業で働く大きなメリットといえます。
転職するチャンスが多い
運送業は現在、人手不足が深刻です。ドライバー不足に加えて、2024年から働き方改革によってドライバーの労働時間に上限が設けられることによって起こり得る「2024年問題」により輸送能力が落ち込むことで、以前のようにモノを運ぶことが難しくなることが懸念されています。運送業は、そもそも人手不足といわれる業界であるため、ドライバーの需要が大きいといわれます。そのため、運送業でドライバーとして働く人は転職するチャンスが多いメリットがあります。
車の運転が好きな人にはやりがいが大きい
前述したように、車の運転がメインとなるドライバーの仕事は、車の運転が好きな人にとっては天職といえるでしょう。毎日さまざまな場所へ運転をしながら荷物を運ぶ仕事は、車の運転が何よりも好きという人にとっては大きなやりがいを感じられるでしょう。
独立・起業のチャンスがある
運送業の需要が高まっている中で、ドライバーとして運送業で経験を積めば個人事業主として独立、または自分の運送会社を立ち上げるなど起業するチャンスがあるのも、運送業の魅力の一つです。独立・起業すれば自分の裁量で働けるのでより自由度が増し、仕事量次第で収入アップも期待できます。
運送業に転職する際のチェックポイント

運送業と一口に言っても、快適に働ける会社がある一方で、いわゆる「ブラック企業」が存在するのも確かです。働きやすい運送業の企業を選択するには、転職する際に以下でご紹介するポイントをチェックしてみましょう。
常に同じ求人を出していないか
同じ求人を常に出している企業は、離職率が高く慢性的な人手不足に陥っていると判断できます。離職率の高さは労働環境の悪さに直結するポイントであるため、求人募集を常に行っている企業は要注意です。
勤続年数・離職率をチェック
常に求人を出している企業と共通するポイントですが、勤続年数や離職率も、ブラック企業かどうかを判断するポイントとなります。当然ながら、勤続年数が長く離職率が低い企業の方が快適に働ける労働環境が整っているといえるでしょう。
その反対に、勤続年数が短く離職率が高い企業は、長く働けない労働環境と予想されるため、転職先として選択するのは避けた方が無難です。
求人に「急募・即日採用」などの文言がないか
「急募」や「即日採用」などの文言がある求人は、すぐに採用されて働けるためメリットが大きいと考えられがちですが、裏を返せば人手不足で人員を確保できていない企業だと判断できます。つまり、本来必要な人員を確保できない労働環境や給与条件の場合が多いといえます。
なかなか次の仕事が見つからない、すぐに働きたいという場合でも、焦ってこのような求人に応募してしまうと、後悔することもあるため、「急募」や「即日採用」などと求人に掲げている企業に応募する際は、企業情報などをよくチェックすることをおすすめします。
所有する車両をチェック
運送業ならではのチェックポイントとして、その企業で所有する車両のチェックが挙げられます。新しい車両がある企業は、安全装置を完備して事故等のリスクに備えていると考えられますが、古い車両しかない企業は、利益を十分に出していない、または従業員へのサポートが手薄になっている可能性があります。そのため、古い車両ばかりではないか、企業が所有する車両をチェックすることも運送業の転職では重要なポイントです。
給与体系・福利厚生・労働時間をチェック
運送業に限ったことではありませんが、給与体系や福利厚生、労働時間は転職先を選ぶ際に確認しておくべきポイントです。これらが明示されていない場合、極端に長い労働時間できちんと給与が支払われない、福利厚生を受けられないというケースもあり得るからです。
求人をチェックする場合は、これらの要素が明示されているかどうか、必ず確認しておきましょう。
運送業はすべて「やめとけ」と言われる仕事ではない!需要が高くやりがいのある仕事

労働環境や職場環境のイメージから、「運送業で働くのはやめとけ」という声が聞かれることがあります。しかし、快適に働ける企業もあり、しかもドライバーの需要は高く、転職のチャンスも多い業種です。転職エージェントでも運送業の仕事を取り扱っているので、転職を希望する際は転職エージェントも含めて検討してみてはいかがでしょうか。