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運送業の平均年収とは?年収を上げる方法や将来性について解説!

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エラメク編集部

2025年6月27日 10:02

運送業の年収は、働いている方のキャリアや職種、資格などによって大きく異なります。具体的にどれくらい稼げるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。本記事では、運送業の平均年収と年収を上げる方法について詳しく解説します。

運送業の平均年収とは?

厚生労働省が実施した「令和6年賃金構造基本統計調査」に基づくと「運輸業、郵便業」の平均年収は304.7万円であることがわかります。前年度と比べると上がってはいますが、決して高い水準ではありません。

年齢別の平均年収

運送業の年収は高齢になればなるほど上がっていきます。しかし、他業種と比べると上がり幅はそれほど多くありません。具体的には50〜54歳の平均年収は、327.8万円となっています。500万円以上の業種もある中で、300万円前半というのは低いといえるでしょう。

職種別の平均年収

運送業の年収は職種によっても大きく異なります。2023年に全日本トラック協会が発表した「トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」によると、一般貨物自動車運送事業所に所属している男性運転者の取扱車種別の1ヶ月の給料は以下のようになっています。

男性運転者の取扱車種

令和5年度 1ヵ月平均給料(円)

けん引

401,700

大型

365,000

中型

307,900

準中型

304,200

普通

292,300

取扱車種によって10万円近くの給料の差があるため、年収を増やすことは工夫次第では可能といえるでしょう。

参考:令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

参考:トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態|全日本トラック協会

運送業の年収は他業種と比べると低い

運送業の年収は他業種と比べると低いです。昇給によって年収を上げることは可能ですが、他業種と比べると上がり幅は大きくありません。そのため、年収を上げたいのであれば、働き方を見直したり、業務の幅を広げたりする必要があります。

運送業の給与体系

運送業の給与体系は、他業種と比べて特殊な点があります。ここでは、運送業の給与体系について詳しく解説します。どのような仕組みで給料が発生しているかを知っておきましょう。

基本給

基本給は運送業の給与の基礎となる部分です。業務内容や企業規模によって基本給の差は大きく、軽貨物配送では月20万円前後、大型トラックでは月25万円〜30万円程度が目安となります。勤続年数によって基本給は増えていくのが一般的です。

歩合給

歩合給は、配送件数や走行距離、運んだ荷物の量に応じて支給される成果報酬です。モチベーション向上や高収入を狙う人にとっては、魅力的な制度といえるでしょう。一方で、体調や交通状況に左右されやすいため、安定して高年収を狙いたい人には向かないかもしれません。

残業手当・深夜手当

運送業は長時間労働になりがちであり、残業手当や深夜手当によって高年収を狙えるケースが多いです。特に夜間配送を行うドライバーは、日中働いているドライバーと比べて、大幅に年収が高い可能性があります。

賞与・一時金

賞与は年に1〜2回支給されることが一般的ですが、中小企業では支給額が少ない場合もあります。大手企業では業績に応じた安定的な賞与が支給され、年収全体に占める割合も大きくなります。

運送業で年収を上げるための方法

運送業は、他業種と比べると年収が低めです。しかし、工夫次第では他業種以上に稼ぐことも可能です。実際に稼ぎたいという理由で運送業を選ぶ方も少なくありません。ここでは、運送業で年収を上げるための方法を詳しく解説します。運送業で働きたいと考えている方や、年収の低さに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

長距離輸送にチャレンジする

長距離輸送は拘束時間が長く、体力的な負担も大きいですが、歩合給や手当が多くなりやすいです。そのため、年収を上げるためのアプローチとしては、おすすめといえるでしょう。若い方であれば体力もあるため、働けば働くだけ年収が増えるという状況にみをおくことも可能です。

しかし、体力があるからといって無理をしてはいけません。ドライバーの過労による事故は決して少なくありません。稼ぎたいという気持ちがあるのは当然ですが、無理をしすぎずにできる範囲で長距離輸送にチャレンジするようにしましょう。

夜間配送にチャレンジする

夜間配送は需要が高まっており、深夜手当が支給されるため、日中の配送よりも高収入が狙えます。通販の普及によって夜間配送のニーズが増えている現代では、収入アップのチャンスが広がっているといえるでしょう。

夜間配送を行う際は、日中よりも慎重に運転するようにしてください。なぜなら夜間配送は車通りが少ないからこそ、大雑把な運転になりやすいからです。人が歩いていることに気付かずに事故を起こしてしまう可能性もあります。

もし、事故を起こしてしまったらドライバーとして働き続けることが難しくなるだけでなく、精神的にも大きな負担がかかります。慎重に運転ができる自信がある方は、夜間配送にチャレンジしてみてください。

資格を取得して業務の幅を広げる

中型・大型免許、けん引免許、フォークリフト運転技能講習修了などの資格を取得するのもおすすめです。先ほども述べたように、取扱車種によって年収は大きく変動します。色々な車種に対応できるようになれば、業務の幅も広がるため自然と年収も増えるでしょう。

また、企業によっては資格手当を支給している場合もあります。年収を増やしたいのであれば、どの資格を取得すれば手当が出るかを確認するところから始めてみましょう。

歩合制の会社に転職する

収入を増やす上で、歩合制の会社に転職するのはおすすめです。歩合制であれば、働いた分だけ収入に反映されるため、望むだけの収入を得られる可能性が高まります。効率的に仕事をこなせる人や、やる気のある人に向いているといえるでしょう。

しかし、歩合制の会社は状況次第で今よりも年収が下がる可能性があります。そのため、給与体系をしっかりとチェックした上で、転職を検討するようにしてください。安定性を重視するのであれば、歩合制ではなく基本給の会社で、どのようにして年収を上げるかを考えましょう。

独立して個人事業主になる

軽貨物配送を中心に、独立して個人事業主として働くという選択肢もあります。元請会社と契約して業務委託として働けば、収入の上限はなくなるため、今よりも高年収を目指せるかもしれません。

しかし、企業に所属して働く場合とは異なり、経費管理や営業活動なども必要になります。そのため、業務負担は独立する前と比べると大きくなるといえるでしょう。逆に自由度の高い働き方を求めるという方にはおすすめです。

副業を始めてみる

トラックドライバーとして働きながら副業に取り組む人は少なくありません。例えば、空き時間を活用してフードデリバリーやネット販売、軽作業などを行う人が増えています。副業の内容次第では、本業よりも稼ぐことができるかもしれません。

しかし、副業に力を入れすぎると本業が疎かになる可能性があります。特にドライバーは集中力や体力が必要な仕事です。そのため、副業は無理のない範囲で行うようにしましょう。無理をして副業をしてしまうと、本業の収入が下がることにもなりかねません。

運送業界は将来的に年収が上がる?

運送業界の将来性について気になる方は多いのではないでしょうか。ここでは、運送業界の将来性について詳しく解説します。これからも運送業界で働き続けるべきか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

働き方改革による影響は大きい

近年の働き方改革により、長時間労働の是正や労働環境の改善が求められるようになりました。運送業界でも労働時間の適正化が進んでおり、それに伴い基本給の底上げや手当の見直しが行われている企業も出てきています。

そのため、基本給だけは上がり続けると考えられるでしょう。また、労働環境も良くなるといえます。しかし、ドライバーは長距離輸送や夜間配送が収入を増やすアプローチでした。働き方改革によってこれらが規制されてしまうと、年収を上げることができなくなる可能性もあります。基本給自体は上がっても、年収が増えるとは限りません。所属している会社の考え方によっても、年収の上がり方は変わるといえるでしょう。

賃上げの風潮に伴って年収が上がる可能性はある

政府が主導する賃上げの動きや物価上昇に対する補填として、物流業界でも賃金の見直しが進む可能性はあります。インフラを支えるドライバーの待遇改善は、業界全体として求められている課題であり、将来的な年収増加に繋がる可能性は高いといえるでしょう。

ドライバーは不足しているため需要は高まり続けている

慢性的な人手不足が続いている運送業界では、ドライバーの確保が企業にとっての大きな課題の1つです。そのため、経験豊富な人材や若手を呼び込むために、待遇や給与面を充実させようとする動きが広がっています。需要に対して供給が追いつかない状況が続く限り、ドライバーの価値は高まり続けると予想されます。

運送業の平均年収は低めだが上げる方法もある

運送業の平均年収は350〜400万円程度と決して高くはありません。しかし、運送業には基本給以外にも歩合給を採用している会社や、残業手当や深夜手当を支給している会社も数多くあるので、年収を上げることは可能です。年収をより上げたいと考えている方は、長距離配送や夜間配送にチャレンジしてみてください。


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