株式会社トミーテックは、タカラトミーグループの中核を担うホビーメーカーとして、鉄道模型ブランド「トミックス」や大人向けダイキャストミニチュアカー「トミカ リミテッド ヴィンテージ」などを展開する企業です。企画・設計から金型、成形、塗装、組立、品質管理までを国内で一貫して手がける体制を強みとし、高精度かつ安定した品質で熱心なファン層を獲得しています。専門性があり参入障壁の高い精密模型市場において、独自のポジションを築いています。
今回はそんなトミーテックの海外生産を支える海外調達課で海外協力工場の生産管理や交渉、仲業者との船便調整などを行う松尾が海外到達課での仕事内容ややりがいについて語りました。
――学生時代はどのような業界や職種を志望していましたか?
学生時代は国際学部に在籍し、主に統計や会計を中心に学んでいました。特に会計分野には力を入れており、簿記は2級まで取得し、税理士試験に向けた勉強にも取り組んでいました。そのため、当時は経理などの専門性を活かせる仕事を一つの選択肢として考えていたものの、明確に志望する職種や業界を絞り込んでいたわけではなく、幅広い可能性を見ながら就職活動を進めていました。
そんな中でも友人の影響もあり、おもちゃやゲームといったエンターテインメント業界を受ける機会が多かったように思います。就職活動中にたまたまタカラトミーグループの合同説明会に参加したことが、一つの転機となりました。当時は鉄道模型や車に特別な関心があったわけではなく、志望度が特段高かったわけではありませんが、友人も受けていたことや、自分自身も興味があったことから、まずはグループとしてエントリーすることにしたんです。
――トミーテックに入社した決め手を教えてください
当初想定していた職種とは異なることや、勤務地が東京ではなく栃木であったことには正直なところ迷いもありました。ただ、仕事内容を詳しく伺う中で、海外とのやり取りなど国際的な業務に関われる点に魅力を感じ、またタカラトミーという安定した基盤にも惹かれ、最終的に入社を決めました。
――海外調達課での具体的な仕事内容について教えてください

現在私は調達課に所属し、主に海外工場で生産される製品の仕入れ業務を担当しています。弊社では鉄道模型を中心に展開していますが、新幹線や有名路線の車両は国内の栃木工場で製造する一方で、ローカル電車やミニカーなどは海外の工場で生産しています。私が担当しているミニカーについては、すべて中国の工場で製造されており、その生産から納品までの一連の流れを管理することが主な役割です。
営業部門が受注を獲得すると、その内容をもとに中国の工場へ発注を行うのですが、弊社の製品は基本的に完全受注生産であるため、発注後は納期に間に合わせるための進行管理が非常に重要となり、ここで私の出番がやってきます。実際に生産が始まると、日々さまざまなトラブルが発生することも少なくありませんが、すべてが自動的に報告されるわけではないため、週に一度程度は自ら工場へ連絡を取り、状況を細かく確認。納期遅延のリスクが生じた場合には、工場側と調整を行うだけでなく、営業部門とも連携しながら最適な対応策を模索していきます。
――受注から納品まで、具体的にどのように動くのでしょうか。
私は月に約10種類、年間では130〜150種類ほどの製品を担当。既存の金型を活用した色替え商品もありますが、新規製品や細かな仕様調整が求められる案件については、特に注意を払いながら進行管理を行っています。日々海外工場との連絡に加え、社内の企画部門への依頼や、生産に必要な書類の作成など、多岐にわたる業務を並行して進めることが重要です。
普段の中国の工場とのコミュニケーションは主に英語で行います。外国語で仕事をすることは入社前から不安でしたが、実際業務ではいわゆるネイティブの英語とは異なり、互いの表現やニュアンスに差があるため、意図を正確に汲み取る難しさを感じる場面も多くあります。さらに専門用語も多く用いるため、誤解を防ぐために電話でのやり取りの後にメールで内容を補足するなど、丁寧なコミュニケーションを常に心がけています。
――仕事のやりがいはどのような時に感じますか?
仕事の中で最もやりがいを感じる瞬間は、納期が非常に厳しい状況に直面した際に、関係各所と調整を重ねながら、最終的にスケジュール通りに納品までたどり着けたときです。生産現場では想定外のトラブルが発生することも多く、このままでは間に合わないと感じる局面は少なくありません。そのような状況の中で、工場や社内の関係部署と密に連携し、解決策を一つひとつ積み上げていくことで、最終的に形にできたときには大きな達成感があります。
また、近年は世界情勢の影響もあり、原材料費の高騰が続いています。その中で、いかにコストを抑えながら品質を維持するかという点も重要なミッションの一つです。見積もりの段階で工場と交渉を重ね、納得のいく条件で合意できたときには、自分の関与が直接会社の利益につながっている実感を持つことができ、大きなやりがいにつながっています。
私たちの仕事は、いわゆる表舞台に立つような役割ではありませんが、こうした調整や交渉の積み重ねが事業の根幹を支えていると考えています。ものづくりにおいて品質へのこだわりは非常に重要ですが、一方で限られたコストや納期の中で最適なバランスを見極めることも求められます。企画部門としてはより高いクオリティを追求したいという思いがある中で、どこに着地させるのかを見極め、現実的な落としどころを導き出すことも調達の重要な役割だと考えています。そうした全体最適を意識しながら業務に向き合える点に、この仕事の面白さと責任の大きさを感じています。
納期に間に合わない絶望的な状況でも諦めず急遽海外出張へ
現地の価値観を尊重しながら対話を重ね続ける情熱が成功の鍵
――キャリアの中で印象に残っている仕事のエピソードは何ですか?
特に印象に残っているのは、フィギュア製品の対応で急遽中国工場へ出張した仕事です。私はミニカーを中心に担当していますが一部フィギュアも扱っており、その案件で上がってきたサンプルのクオリティが基準に満たず、このままでは納期に到底間に合わないという状況に直面しました。中国の工場では、サンプルはあくまで確認用という意識で製作されることも多く、こちらのイメージと乖離が生じるケースは少なくありません。そのときも、まさにその典型で、言葉だけで修正点を伝えても認識にズレが生じてしまい、改善が進まない状況でした。
もうどう頑張っても納期に間に合わないのではと諦めてしまいそうになる絶望的な状況でしたが、上司とも相談のうえ急遽現地へ出張することに。通常でも年に数回は海外出張がありますが、今回はトラブル対応としてのイレギュラーな訪問でした。現地では、少しでも無駄を省き納期を早めるために、完成品だけで判断するのではなく工程ごとに細かく確認を行い、その場で修正指示を出す体制に切り替えました。合否の判断基準を明確にし、工場側と共通認識を持つことを徹底しました。
作業は決してスムーズとは言えず、日によっては遅くまで工場に残り、細かな調整を繰り返す日々が続きました。当初は1週間の滞在予定でしたが、最終的には2週間に延びることとなり、体力的にも精神的にも負荷の大きい経験でした。しかし、その分現場で直接コミュニケーションを取ることで認識のズレが解消され、徐々に品質も安定。
結果として、最終的には納期に間に合う形で製品を揃え、無事に納品までたどり着くことができました。この経験を通じて、現地で直接対話することの重要性や、曖昧さを残さず基準を明確にすることの大切さを改めて実感しましたし、自分自身の仕事に対する向き合い方にも大きな影響を与えた出来事でした。
――トミーテックの社風について教えてください

社風の特徴として強く感じているのは、組織全体の団結力の高さです。工場を持つ企業である以上、決算期など特定のタイミングでは業務量が大きく増えることがあります。そのような繁忙期には、私たち調達部門のメンバーも生産現場の応援に入ることがありますが、その際にやむを得ず仕方なく手伝うという空気ではなく、みんなで乗り越えようという前向きな雰囲気が自然と生まれている点が非常に印象的です。部門を越えて協力し合う文化が根付いているからこそ、忙しい時期でも一体感を持って業務に取り組めています。
自分の所属する部署においても、何かトラブルが発生した際に個人で抱え込むのではなく、チームでなんとかしようという意識が強くあります。誰かが困っていれば自然と周囲がサポートに入る環境が整っており、その安心感が日々の業務の進めやすさにもつながっています。
また、働きやすさという観点では、制度面だけでなく風土の部分も大きいと感じています。特に人間関係の良さは大きな魅力で、上司とのコミュニケーションも非常に取りやすい環境です。業務に関する相談はもちろんのこと、休日の過ごし方やプライベートな話題、例えば車の購入についての相談なども、気負うことなく自然に話すことができます。そうしたフラットでオープンな関係性があることで、日々の業務におけるストレスは比較的少なく、安心して働けています。
――どのような方であれば海外調達課で活躍できると思いますか?
社風の特徴として強く感じているのは、組織全体の団結力の高さです。工場を持つ企業である以上、決算期など特定のタイミングでは業務量が大きく増えることがあります。そのような繁忙期には、私たち調達部門のメンバーも生産現場の応援に入ることがありますが、その際にやむを得ず仕方なく手伝うという空気ではなく、みんなで乗り越えようという前向きな雰囲気が自然と生まれている点が非常に印象的です。部門を越えて協力し合う文化が根付いているからこそ、忙しい時期でも一体感を持って業務に取り組めています。
自分の所属する部署においても、何かトラブルが発生した際に個人で抱え込むのではなく、チームでなんとかしようという意識が強くあります。誰かが困っていれば自然と周囲がサポートに入る環境が整っており、その安心感が日々の業務の進めやすさにもつながっています。
また、働きやすさという観点では、制度面だけでなく風土の部分も大きいと感じています。特に人間関係の良さは大きな魅力で、上司とのコミュニケーションも非常に取りやすい環境です。業務に関する相談はもちろんのこと、休日の過ごし方やプライベートな話題、例えば車の購入についての相談なども、気負うことなく自然に話すことができます。そうしたフラットでオープンな関係性があることで、日々の業務におけるストレスは比較的少なく、安心して働けています。
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