茨城県を中心に、日用品雑貨の卸売事業を展開する株式会社坂場商店。ホームセンターやスーパーマーケットをはじめ、官公庁や病院など幅広い取引先へ商品を供給し、地域の暮らしを支えています。最大の特徴は、お客様一社一社に寄り添う営業体制。専属に近い担当制を採用し、売場づくりや商品提案まで踏み込んだきめ細かなサポートを行うことで、数十年にわたる長期的な取引関係を築いています。また、多様な仕入れルートを活かし、お客様のニーズに応じた幅広い商品を提案・供給できることも強みです。近年はAIや物流システムなどの新技術の導入にも積極的に取り組み、地域を支える卸売業として挑戦を続けています。
今回はそんな坂場商店で代表取締役社長を務める坂場 光治さんに、会社の強みや営業職の魅力について語っていただきました。
地域に根差し、信頼でつながる日用品卸
坂場商店の事業内容と強みについて教えてください
弊社は、日用品雑貨の卸売業を営んでおり、茨城県を中心に地域密着型の事業を展開しています。1893年の創業以来、130年以上にわたり地域に根差した企業としてお客様との信頼関係を何よりも大切にしながら事業を続けてきました。 坂場商店が長年にわたり大切にしているのは、規模を追い求めることではなく、地域に密着した卸売業だからこそ提供できる価値です。その強みの一つが、一社一社にしっかり向き合う営業体制です。ほぼ専属の担当者が対応することで、お客様との距離が近く、日々の細かなご相談や急なご要望にも柔軟かつ迅速にお応えできます。そして何より、お客様との信頼関係を第一に考えた体制づくりを徹底してきました。こうした姿勢を評価していただき、「坂場商店だから任せたい」と長くお付き合いいただくお客様が多いことは、当社にとって大きな誇りです。
現在のお取引先は、ホームセンターやスーパーマーケットが約4割、役所や病院などの公共・医療機関が約3割を占め、そのほかにもさまざまな業種のお客様とお付き合いがあります。長いお客様とは数十年にわたって取引が続いており、これはお客様に真摯に向き合い、期待に応え続けてきた結果だと考えています。
実直な仕事を土台に、新しい仕組みへ挑む
会社を経営される上で大切にしていることは何ですか?
会社を経営するうえで私が最も大切にしているのは、「挑戦する姿勢」です。現状に満足するのではなく、新しい技術や仕組みを積極的に取り入れることで、会社の可能性を広げていきたいと考えています。そのため、システムやAIの導入にも早い段階から取り組み、物流の仕分システムや物流ロボットなど、業務効率化につながる技術についても積極的に検討しています。社員の力に新しい技術が加われば、可能性はさらに広がります。だからこそ、新しい技術をいち早く取り入れ、それを活用できる企業の方が競争力を高められると考えています。
そうした挑戦の一つとして取り組んだのが、3Dプリンターと焼結炉を活用した新しい金属造形技術を用いたビジネスです。この取り組みで、独自の技術やアイデアによる新たな付加価値を評価する『第2回水戸さきがけビジネス大賞』(2026年)にエントリーし、優秀賞を受賞することができました。この技術は現在の卸売事業とは直接関係するものではありませんが、「国内でも先進的な技術を中小企業でも扱えることを証明したい」「大手企業だからできるのではなく、中小企業でも新しい価値を生み出せることを示したい」という思いが挑戦の原動力でした。
こうした取り組みは私一人で進めたものではなく、社員と何度も議論を重ねながら形にしてきたものです。社員それぞれの意見や発想を尊重しながら、一緒に新しい可能性を模索していく過程そのものが、会社にとって大きな財産になっていると感じています。これからも既存の枠にとらわれることなく、失敗を恐れずに新しい価値を生み出す挑戦を続け、地域に根差した企業だからこそ実現できる取り組みを積み重ねながら、会社としてさらなる成長を目指していきたいと考えています。
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日々社員の方に伝えているメッセージなどはありますか?
社員には、実直に仕事へ向き合うことが何より大切だということを日頃から伝えています。私たちの仕事は、お客様の前に立つことが多い業種ではなく、どちらかといえば裏方として社会や地域の暮らしを支える仕事です。だからこそ、一つひとつの業務を誠実に、責任感を持って積み重ねる姿勢が、お客様からの信頼につながると考えています。
弊社では私自身も社員と同じフロアで仕事をしており、日々の働く姿をすぐ近くで見ています。そのため、評価をする際も数字だけを見て判断することはありません。もちろん成果は大切ですが、それ以上に、周囲と協力しながら真面目に仕事へ取り組む姿勢や、お客様や仲間に対する誠実な行動も評価の対象にしています。社員一人ひとりの性格や得意・不得意もできる限り把握し、それぞれが力を発揮できる環境をつくることも経営者として大切な役割だと思っています。
そのため社員の成長につながる支援は会社として積極的に行っています。例えば、フォークリフトの免許をはじめ、業務に必要な資格については会社負担で取得できる制度を設けています。新しい知識や技術を身につけることで、社員自身の成長はもちろん、会社全体の成長にもつながると考えているからです。これからも社員一人ひとりにしっかり目を向け、それぞれが安心して挑戦し、長く活躍できる会社であり続けたいと思っています。
メーカーと小売店の橋渡し役として消費現場をリード
日用品業界の幅広い知識を身につけ高い市場価値を高められる

坂場商店での営業職の仕事について教えてください
当社の営業は、一般的にイメージされるような商品を売り込む営業とは少し異なります。実際の業務では、商談そのものよりも、お客様の店舗へ足を運び、売場担当者とコミュニケーションを取りながら売場づくりを考える仕事が中心になります。商品の陳列方法を工夫したり、季節に合わせた売場を提案したりと、「どうすれば消費者の手に取っていただけるか」をお客様と一緒に考え、売れる売場をつくることが営業の大切な役割です。また、お客様からご要望をいただければ、そのニーズに合った商品を仕入れてご提案することも重要な仕事です。反対に、新しい商品をご紹介し、新たな売場づくりにつなげることもあります。当社は長年にわたり幅広い商品を取り扱う方針を貫いてきたため、多様な仕入れルートを持っていることが大きな強みです。専門分野に特化する卸売業者もありますが、当社は幅広い商品を扱い続けてきたからこそ、お客様のさまざまなご要望に柔軟に対応できます。
基本的には複数名で一つの取引先を担当する体制を取っており、新入社員も入社後すぐに一人で営業へ出ることはありません。先輩社員と一緒に行動しながら、商品知識や商談の進め方、お客様との接し方などをOJTでじっくり学べる環境を整えています。おおよそ2〜3年かけて経験を積み、一人前として活躍できるよう育成していくのが当社の方針です。
私たちの仕事は、商品を納品して終わりではありません。お店で商品が実際に売れ、消費者に選ばれて初めて追加のご注文につながります。だからこそ、お客様と一緒に売場づくりを考え、商品が売れる仕組みまで支援することが、坂場商店の営業の最も大切な役割だと考えています。
坂場商店で営業として働く中で得られる成長は何でしょうか
弊社の営業として働く魅力の一つは、幅広い知識とスキルを身につけられることだと思います。卸売業はメーカーと小売店の中間に立つ存在です。そのため、メーカーの商品開発や販売戦略に関する知識だけでなく、小売店の売場づくりや消費者の購買行動についても学ぶことができます。どちらか一方ではなく、双方の視点を理解しながら仕事ができることは、卸売業ならではの大きな特徴です。また、弊社では特定のメーカーだけではなく、多くのメーカーの商品を取り扱っています。さらに、日用品という生活に身近なジャンルの中でも、さまざまなカテゴリーの商品を扱っているため、自然と幅広い商品知識が身につきます。新商品や市場の動向にも触れる機会が多く、お客様へ最適な提案を行う中で、提案力や課題解決力も磨かれていきます。
こうした経験を通じて身につくのは、メーカーと小売店の双方を理解したうえで動ける、汎用性の高い力です。特定の分野だけに偏らず、商品開発から売場づくりまで幅広い視点を持てることは、卸売業ならではの強みだと感じています。日用品という身近な商材を通じて、幅広い知識と実践的な営業力を身につけられることは、当社で働く大きな魅力の一つです。

採用の際に重視していることを教えてください
採用において私が重視しているのは、話が上手であることや営業経験が豊富であることではありません。それ以上に大切なのは、何事にも真面目に取り組める姿勢です。当社の営業は、お客様との信頼関係を長い時間をかけて築いていく仕事です。そのため、一時的なコミュニケーション能力よりも、誠実に仕事へ向き合い、一つひとつの約束を積み重ねられる人の方が、結果的に活躍しています。実際にこれまで当社で長く活躍している社員を見ても、派手なタイプというよりは、仕事に対して実直で責任感のある人が多いですね。普段の生活を見ていても、平日は仕事にしっかり向き合い、自分自身の役割を果たそうと努力している社員ばかりです。
また、当社では高校を卒業したばかりの新卒社員も積極的に採用しています。地域密着で事業を展開している会社だからこそ、地元で長く働きたいという思いを持つ方が多く入社してくれています。数ある進路の中から就職を選び、社会人として成長したいという意欲の高い方が多いことも特徴です。
その結果として、社員の平均勤続年数は15〜20年ほどで、高校卒業後に入社して定年まで勤め上げる社員や、定年後も引き続き活躍している社員も少なくありません。現在会社の中心となっている中堅社員の多くも地元の学校を卒業し、そのまま坂場商店で経験を積み重ねてきました。社員が安心して長く働ける環境こそが、当社の大きな強みの一つだと考えています。
地域の暮らしを支える責任と、次なる挑戦
今後の坂場商店の展望についてどのように考えていますか?
今後も当社が大切にしていきたいのは、地域に必要な商品を安定して供給し続けるという卸売業としての役割です。特に近年は災害などを経験する中で、私たちのような卸売業の存在意義が改めて見直されたと感じています。日用品は電気や水道のようなライフラインに準ずる製品が多数あり、人々の生活を支えるうえで欠かせない存在です。普段は当たり前のように店頭に並んでいる商品も、その供給が止まれば地域の暮らしに大きな影響を与えてしまいます。
だからこそ、私たちは地域経済や地域の生活を支えるインフラの一端を担っているという責任感を持って仕事に取り組んでいます。私たちがその供給を支えることで、お客様も消費者の皆さまも安心して日常生活を送ることができます。既存事業を大切にしながらも、新しいことへの挑戦は今後も続けていきたいと思っています。3Dプリンターを活用した新たな取り組みに挑戦したように、今後についても、これまでにない技術や発想を積極的に取り入れ、新しい価値を生み出していきたいと考えています。
中小企業だからこそ柔軟に挑戦できる強みを活かし、地域を支えるという使命と、新たな可能性への挑戦の両方を大切にしながら、これからも会社の成長につなげていきたいと思っています。



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