自動車工場はきつい?きついと言われる理由やメリットを紹介!

エラメク編集部
2025年3月28日 18:56
自動車工場で働きたいけれど、きついイメージがあり、就職や転職に踏み切れないといった人もいるのではないでしょうか。本記事では、自動車工場がきついと言われている理由や具体的な仕事内容、自動車工場で働くメリットについて解説します。また、自動車工場での仕事を続けるための方法も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
自動車工場の仕事内容とは?

自動車工場での仕事は、主に以下の6つです。
- プレス
- 溶接
- 塗装
- エンジンの製造
- 組み立て
- 検査
ここでは、それぞれの工程について解説しますので、どのような仕事内容なのか見てみましょう。
1. プレス
プレス工程では、一枚の鉄板をプレス機にかけてドアやボディを成形するほか、出来上がった部品を次の工程へ運ぶことが主な業務です。1回のプレスにかかる時間は約3秒ほどと短く、上下から約1,600トンもの圧力をかけて加工されます。
従業員の手作業ではなく、機械を用いて作業が行われる点が特徴です。従業員は機械が問題なく稼働しているかのチェックや、トラブルが発生した際の対応・上司への報告などが主な業務内容となります。
2. 溶接
溶接工程では、プレス工程で成形されたパーツを溶接して繋ぎ合わせる作業があります。床面・側面・天井の順番に溶接をしており、その箇所は約4,000ヶ所です。
溶接は、自動車1台につき一度しか行われるわけではなく、車体を頑丈にするために「増し打ち」と呼ばれる作業で強度の向上を図ります。プレス工程と同様に、溶接も機械によって行われ、従業員の業務は機械のオペレーションやトラブル対応などがメインとなります。
3. 塗装
塗装工程では、まず車体を洗浄して表面に付着しているゴミや油膜を除去します。洗浄後は錆止め用の塗料が入ったプールに車体を沈めた後、シーラー塗装へと進みます。
シーラー塗装で隙間の塗装が完了した後は本塗りへと進み、中塗りや上塗りといった工程を経て車体に色をつけていきます。
4. エンジンの製造
エンジンの製造では、主に「鋳造」「機械加工」「熱処理」「組み立て・検査」と4つの工程に細かく分けられます。アルミニウムを溶かしたり高熱で部品の表面を固めるなどきついと感じる作業環境であり、検査ではミクロン単位でチェックが行われるなど集中力が求められる点が特徴です。
5. 組み立て
組み立てでは、車体を組み立てる工程とエンジンを組み立てる工程に分かれます。特に車体を組み立てる工程は力作業となっているほか、生産ラインから次々と車体が流れてくるので、慣れるまではプレッシャーを感じやすいでしょう。
機械での作業と手作業に分かれており、エンジンを扱う場合は数人がかりで作業を進めることがあります。
6. 検査
車が完成した後は異常がないか検査工程でチェックを実施します。ブレーキやワイパー、ランプが正常に動いているかを確認するほか、走行検査にてタイヤがしっかり装着されているかを調べます。1つでも検査基準を逸脱した場合は、該当する工程に戻して修理し、再度検査を行います。
自動車工場の仕事がきついと言われる理由8選

自動車工場がきついと言われる理由は主に8つあります。ここでは、それぞれの理由について解説します。
1. 肉体労働がある
自動車工場での仕事は、休憩を除く労働時間は基本的に立ち仕事です。長時間立ったままの作業が続くと、膝や腰などに負担がかかり疲労を感じることもあるでしょう。
工場の中にはエンジンやボディに取り付ける重い部品を運ぶラインもあり、運ぶ際に身体を痛めるリスクもあります。体力に自信がない人は、自動車工場での仕事はきついと感じるでしょう。
2. 勤務時間が長く不規則
自動車工場によっては、日勤と夜勤を交互に行う交代制勤務(シフト制)を採用しているケースが多くあります。日中のみの勤務であれば、一定の生活リズムで仕事ができますが、夜勤も担当する場合は食事や睡眠の時間が不規則になり、体に悪影響を及ぼす可能性もあります。また、家族や友人との予定が合わせにくくなり、休日は一人で過ごすことが多くなる場合もあります。
3. 危険を伴う作業がある
自動車工場では機械を使った作業のほか、化学物質の使用や高所作業など危険を伴う場面が多くあります。機械を使用している工程では、何らかのトラブルで機械に挟まれてしまったり、最悪のケースでは死亡事故が発生することも。塗装工程では化学物質を取り扱うため、誤って吸入してしまい、体調不良に陥る可能性もあります。
4. 職場環境が過酷
溶接や塗装、エンジンの製造工程は気温が高くなりやすく、特に夏場は暑い中で作業を行わなければなりません。水分や塩分を補給せずに作業を行ってしまうと、熱中症となり体調に支障をきたす可能性があります。
また、工場内は暑さや寒さだけでなく、騒音や化学物質特有の匂いが充満していることもあるため、音や匂いに敏感な人はきついと感じるでしょう。
5. 長時間の単純作業
ライン作業の場合、長時間同じ作業の繰り返しとなるため、途中で飽きてしまうことも考えられます。また、一人がミスをしてしまうと後の工程に影響を及ぼしてしまうため、プレッシャーを感じやすい点も単純作業がきついと感じる点の一つです。
6. 寮生活に慣れない場合もある
自動車工場では多くの人が働いているため、社員寮が設置されているケースが多く、自宅からの通勤が厳しい人は寮を利用することもあります。アパートやマンションのようなタイプであれば快適に過ごせる場合もあります。
一方で、相部屋のようなタイプの寮では浴室やトイレ、キッチンなどが共同であることが多いため、プライバシーを重視している方にはきついと感じやすいでしょう。
7. 職場の人間関係が合わない
自動車工場での仕事は、一人で作業することが多いため、他の従業員とコミュニケーションをとる場面は多くありません。他の従業員とコミュニケーションを取りながら仕事をしたい人にはストレスを感じやすい環境である一方、黙々と作業したい人には働きやすい職場環境といえます。
工場内の雰囲気は自動車工場によって異なるので、面接の際に工場の雰囲気について質問してみると良いでしょう。
8. 雇用期間が決まっている
正社員の場合は雇用期間は決まっていませんが、期間工や派遣社員の場合は基本的に有期雇用契約です。そのため、雇用期間が終了すると今後の仕事がどうなるのか不安を感じやすくなります。
しかし、短期間でスキルを身につけたい人や短期でお金を稼ぎたい人にとっては雇用期間が決められている点はメリットと言えます。また、正社員登用を行っている自動車工場も多くあるので、仕事の頑張りが認められれば正社員になれる可能性もあります。
自動車工場で仕事をするメリット

自動車工場の仕事はきついと感じる部分がある一方で、メリットも多くあります。ここでは、主なメリットを4つ紹介します。
大手企業で働ける場合がある
日本の自動車工場は、世界的に有名な自動車メーカーが多い点が特徴です。大手自動車メーカーで働くと仕事のモチベーションにつながり、より車への愛着が増すこともあるでしょう。また、大手のメーカーは給がも高い場合があるため、お金を稼ぎたい人にはおすすめの職種と言えます。
自動車業界に未経験でも働ける
先述のとおり、自動車工場は溶接や塗装、組み立てなど仕事内容が多く、基本的にライン作業となります。しかし、大半の作業はマニュアル化されており、初めて自動車工場で勤務する人でも働ける体制が整っています。また、いきなり複雑な作業を任せるといったことはほとんどなく、最初は単純な作業から始めて、徐々に仕事に慣れていくことも可能です。
福利厚生が充実
自動車工場によって異なるものの、福利厚生が充実していることが多い傾向にあります。ゴールデンウィークやお盆、年末年始休暇が設定されているほか、育児休暇制度や子ども看護休暇など、子どもがいる家庭に配慮された制度を設けているメーカーもあります。また、勤務している自動車メーカーの車を社員割引で購入できるケースもあるので、車をお得に購入できることもあるでしょう。
他業界と比較して給料が高い
自動車工場は基本的にシフト制であることが多く夜勤もあるので、夜勤手当てなどで日勤だけよりも給料を多くもらえる場合があります。また、期間工の場合は入社祝い金や満了金をもらえるなど、他の業界と比較すると給料が高い傾向にあります。
専門的な資格がなくても働ける
専門的な資格を持たなくても働ける点も自動車工場のメリットです。先輩社員から教わりながら仕事を覚えられるほか、決められた作業を繰り返すルーティンワークから始められるなど、自動車工場での勤務経験がない人でも働きやすい環境です。
自動車工場の仕事を無理なく続ける方法

日勤と夜勤交互の勤務など、不規則な勤務体系で働くことが多い自動車工場ですが、ここでは、無理なく仕事を続けるための方法を3つ紹介します。
十分な睡眠時間を確保する
日勤だけでなく夜勤も担当している場合、睡眠時間を十分に確保して体を休めることが重要です。夜勤がある日は、出勤時間から逆算して7〜8時間程度睡眠をとれるようにすると良いでしょう。夜勤明けの休日は無理に起きず、眠気があれば眠るようにするなど体に負担をかけない方法を見つけましょう。
気分転換の方法を見つける
自動車工場での仕事は一人で黙々と作業することが多く、他の従業員とコミュニケーションが取れないケースもあります。そのため、仕事中のストレスを溜め込んで疲れが大きくなってしまうこともあるでしょう。休憩時間に甘いものを食べたり、休日に散歩や掃除、読書など自分なりの気分転換の方法を見つけておくと、ストレスを解消しながら働くことができます。
精神的な負担を抑える工夫を考える
仕事をしていると、どうしてもストレスを感じる場面に遭遇してしまうケースがあります。その際にストレスによる精神的な負担を受けてしまうと、仕事のパフォーマンス低下を招きかねません。先述のとおり気分転換の方法とは別に「他の従業員に干渉しすぎない」や「目の前の仕事に集中する」など、精神的な負担を軽減する方法を持つと良いでしょう。
自動車工場の仕事がきついか事前に知る方法

自動車工場での仕事を希望する場合、どのくらいきついのか気になるかと思います。ここでは、自動車工場のきつさを事前に知る方法を5つ紹介します。
工場見学をする
自動車工場によっては工場見学できるケースがあります。応募する前に工場内の雰囲気や仕事内容を確認できるので、見学時にどのくらい仕事がきついのかを把握できます。見学の際は、未経験でも取り組めそうな仕事であるか、仕事をしやすい職場環境かなど、自分なりに知っておきたいポイントをリストアップしておくと良いでしょう。
自動車工場で働いた人から話を聞く
家族や友人などに入社を検討している自動車工場で働いた経験のある人がいる場合は、積極的に話を聞いてみましょう。経験者から聞くことで、自分が働いているイメージを具体化でき、仕事を続けられるかを見極めやすくなります。
自動車工場の口コミを読む
転職サイトなどには自動車工場で働いた経験のある人の口コミが掲載されていることがあります。退職した人の口コミが多いですが、中には現役社員の口コミが書き込まれていることもあるので、選考応募を検討する際の判断材料として役立つでしょう。
転職エージェントを利用する
応募を検討している自動車工場について知りたい場合、転職エージェントの利用もおすすめです。転職エージェントは企業と応募者の仲介役をしており、企業側ともやり取りをしているので仕事内容や福利厚生などについての具体的な話を聞くことができます。
面接で仕事内容や待遇を確認する
仕事内容や待遇について、より詳しい情報を知りたい場合は、面接で直接確認することも方法の一つです。質問の内容によっては答えられないケースもありますが、大まかな仕事内容や給与面などであれば答えてくれる場合もあります。面接は自動車工場に勤めている社員や役員と直接会話できる貴重な機会なので、勇気を出して聞いてみましょう。
自動車工場はきつい面も一部あるがメリットも多い職業

自動車工場の仕事は肉体労働が発生することや勤務時間が不規則なだけでなく、単純作業が長時間続くなど体力的にきついと感じる部分が多いです。一方で、大手企業で働ける点や給料が高いといったメリットもあるため、自動車工場で働きたい方は口コミや経験者から話を聞いてリサーチしてみましょう。