運送業の営業職の仕事内容は？働くために必要なスキルややりがいを解説

運送業というと、ドライバーの仕事がまず連想されますが、営業職もあります。運送業の営業は物流に関わる仕事であるため、一般的な企業の営業とは多少異なる仕事内容が含まれます。本記事では、運送業の営業職の営業方法や仕事内容、やりがいや求められるスキルについて解説します。

運送業の営業職とは？

運送業の仕事といえばドライバーの仕事を連想する人が多いですが、運送業にはその他にもさまざまな職種があります。営業職もその一つで、運送業にも物流サービスを他社のクライアントに売り込むのが主な仕事です。営業職がいなければドライバーも配送の仕事を得られないこともあるため、運送業にとって営業職は重要な職種といえます。

運送業の営業職のその他の仕事内容

営業職の主な仕事は物流サービスの売り込みですが、その他にも付随する業務が発生します。一般的な運送業の営業職のその他の仕事内容は、以下の通りです。

見積書・提案書などの書類作成

他業種の営業職と同様に、運送業の営業職見積書や提案書など、契約を取る前後に必要となる書類作成を行います。企業によっては、営業事務職に書類作成を担当させる場合もありますが、直接作成を担当しない場合でも、見積書や提案書の内容は必ずチェックする必要があります。

商談・契約締結手続き

クライアントを相手に行う商談や契約締結手続きなど、仕事を取るために必要な一連の手続きを担当するのも、営業職ならではの仕事内容です。自社のサービスを提供するために必ず行うべきことなので、責任のある仕事内容といえるでしょう。

アフターフォロー

契約締結後、クライアントに対するアフターフォローを行うのも、営業職の仕事です。今後引き続きサービスを利用してもらうには、アフターフォローの良し悪しが関わってくるため、クライアントの不満をヒアリングしつつサービス内容を改善する、ニーズが変わっていないかを確認するなどのフォローは必須です。

運送業で営業職として働くやりがい

営業職は多種多様な業界で活躍する職種ですが、運送業の営業職は以下に挙げるやりがいがある仕事です。

人やモノをつなぐ役割を担える

運送業は、人々の生活や仕事に必要な物品を届ける必要不可欠な仕事です。運送業がなければ物流が滞り、生活はうまく回らなくなるでしょう。つまり、運送業は社会に貢献する重要な役割を持つ業種なのです。そんな運送業の営業職は人やモノをつなぐ役割を担う仕事として、大きなやりがいを感じられるでしょう。

トレンドや市場動向を先読みするスキルが身につく

運送業の仕事は、季節やトレンド、市場の状況によって運ぶモノも大きく異なります。どのようなモノに需要があるのか、消費者や企業が何を求めているのかを先読みする必要が出てくる仕事なので、おのずとトレンドや市場動向を先読みするためのスキルが身につきます。このスキルは、運送業で役立つことはもちろん、将来的にキャリアチェンジをする際にも役立つスキルとなるでしょう。

顧客や消費者に貢献している実感を得られる

運送業は人やモノをつなぐことによって社会に貢献できる仕事です。営業職は、そのサービスそのものを売り込んで企業同士、企業と顧客をつなぐ役割を持っているため、顧客や消費者にとってなくてはならない存在です。運送業で提供するサービスを通して、顧客や消費者へ貢献している実感が得られるのも、営業職のやりがいの一つです。

運送業の営業職に求められるスキル

営業職は外部とのやり取りが多い仕事なので、社内はもちろん社外にも通用するさまざまなスキルが求められます。

コミュニケーションスキル

営業職に必須ともいえるスキルは、コミュニケーションスキルです。業務上、社外のクライアントとのやり取りが発生する仕事であるため、正しくスムーズなコミュニケーションを取れることは営業職にとって重要です。運送業の営業職は、クライアントのニーズを汲み取ってサービスに活かすこともあるので、正しくヒアリングをしつつ社内での情報共有をきちんと行うためのコミュニケーション能力が求められます。

ロジカルシンキング

「論理的思考」と呼ばれるロジカルシンキングも、運送業の営業職に必要なスキルです。クライアントが抱える課題や必要とするサービスを汲み取るために必要であることに加えて、スムーズにモノを配送するための提案にも、ロジカルシンキングが必要だからです。サービスを売り込む際も、論理的に話を展開することで、相手に納得してもらいやすくなるでしょう。

提案力

営業職は、クライアントの課題や要望を解決する最適な方法を提案する必要がある仕事です。クライアントの提出する提案資料の作成時にも提案力が求められ、その内容の良し悪しで契約締結が決まることがあるため、運送業の営業職にとっては提案力も必要なスキルに挙げられます。

語学力

語学力は運送業の営業職に必須スキルというわけではないものの、貿易に関わる運送業の営業職の場合は英語力が必要となる場面が増えるでしょう。すでに、運送業の営業として働いていて語学力が不要な場合でも、語学スキルを身につけていれば外国人が多く在籍する企業や貿易関係の企業での営業としてキャリアアップできるチャンスが広がるでしょう。

運送業の営業職に向いている人

運送業の営業職に向いている人の特徴は、一般的な企業の営業職と共通している点が多いですが、運送業ならではの適性もあります。主に、以下の3つの特徴を持つ人が、運送業の営業職に向いています。

コミュニケーション能力が高い人

まず、営業職にとって人とのコミュニケーションは業務上必須であるため、コミュニケーション能力が高い人が営業職に向いています。多くの人と関わる機会が多い仕事なので、人と話すことが好きな人も、営業職に適しているといえるでしょう。ただ人と関わることや話すことが好きなだけではなく、営業職はコミュニケーション能力に加えて相手の話をよく聞いて理解し、対応できる能力も求められます。

責任感の強い人

営業職は、自社のドライバーや配送システムとクライアントを結びつける役割を持っています。クライアントからの信頼を得るには、契約締結後も責任ある対応をすることが必要であるため、担当した仕事を最後までやり遂げられる責任感の強い人が、運送業の営業職に向いています。

スケジュール管理が上手な人

営業職は複数のクライアントの配送を担当することも多いため、各クライアントのスケジュールと自社のドライバーや配送システムのスケジュールを把握する必要が出てきます。そのため、スケジュール管理が上手な人の方が運送業の営業職に向いています。

運送業の営業職が取引先を獲得する方法

運送業の営業職は、主に以下の4つの方法で取引先を獲得します。

テレアポ

運送業以外の営業も行う方法で、直接電話をかけて営業を行います。どれだけ自社のメリットを相手に伝えられるかどうかが、仕事を取るポイントとなります。

マッチングサービス

マッチングサービスとは、荷物を運んでもらいたい企業と運送会社をつなぐサービスです。登録をしておけば、営業活動不要で仕事を取れるチャンスがありますが、手数料が発生する場合もあります。

ホームページ作成

クライアントからの問い合わせを受けた際に営業をかけるインバウンドセールスを目的としたホームページ作成も、仕事を取る方法の一つです。ホームページ制作会社などに依頼をして作成する必要があるものの、自社の魅力や強み、メリットなどをアピールする場になるので、ホームページは作成しておいた方がいいでしょう。

トラック協会への加入

トラック協会とは、トラック運送業者をつなぐ業界団体のことで、荷主との横のつながりを作る方法として有効です。支部ごとに勉強会や飲み会などが開催されることがあるため、その機会を利用して仕事を売り込むことで、新たな仕事を獲得するチャンスが期待できるでしょう。

運送業の営業職についてのQ&A

運送業の営業職として働きたいと考えているけれど、未経験者でも問題がないのか、求人に応募する前に不安を感じる人もいるでしょう。そこで、運送業の営業職でよくあるQ&Aをまとめました。

未経験者でも運送業の営業職に就ける？

運送業の経験がない人、営業職未経験者でも、運送業の営業職として働くチャンスは十分あります。他業種で営業の経験がある人は、その経験を活かして活躍できる場はありますし、たとえ営業未経験者でも実務を通してスキルを身につけられるので、比較的働きやすい職種といえます。

運送業の営業に必要な資格は？

運送業の営業職として働くには、特別な資格や取得必須の資格はありません。しかし、どの業種の営業にも言えることですが、営業の仕事はクライアントを訪問する機会が多く、車移動が増えます。企業によっては普通自動車免許が必要条件に設定されていることもあるため、普通自動車免許は取得しておいた方がいいでしょう。

営業士検定もおすすめな資格

また、営業職としてのスキルをアピールしたいのであれば、営業士検定を取得するのもおすすめです。営業士検定とはセールスやマーケティングのスペシャリストであることを証明できる検定試験で、上級を取得していると営業に関する専門知識やスキルを持っていることをアピールできます。

運送業には欠かせない営業職

営業職は、荷主となるクライアントを探すために必要不可欠な職種です。さまざまな方法で仕事を取る必要があり、付随する業務も多岐にわたりますが、その分やりがいも多い仕事です。やりがいのある営業の仕事を探している方は、運送業も候補に加えてみてはいかがでしょうか。