ーーご自身のこれまでのキャリアを教えてください
私のキャリアは、大手企業の家具販売部門からスタートしました。その中で接客力や提案力を学び、キャリアとしても順調だったと思います。ただ、ある程度経験を積んだタイミングで、自分自身の成長や収入面を含めて「もう一段上を目指したい」という思いが強くなりました。ちょうどその頃、地元である奈良に戻るという選択肢が現実味を帯びてきて、これまでの経験を活かしながら新しいフィールドに挑戦しようと決断しました。
その後奈良に戻り、工務店に営業職として入社しました。その会社では営業担当が図面も描くスタイルで、設計や申請業務、コーディネート、さらには店長業務まで幅広く経験しました。住宅営業や設計など最初は手探りでしたが、家具販売の経験を武器に、インテリアや空間コーディネートの提案、実務を通じて図面制作も身につけていきました。お客様と対話しながら、一緒に住まいを形にしていくプロセスは、非常にやりがいを感じましたね。
工務店での仕事を通して、この仕事のやりがいを感じることができたからこそ、今の自分があると思っています。打ち合わせ当時はまだ小さかったお子様が、数年後に大きく成長されて再びご相談に来てくださることもありますし、「実家のリフォームをお願いしたい」「友人を紹介したい」「庭を変えたい」「家具を買い替えたい」と様々なご要望があり、長いお付き合いが続いていく。そうした関係性の積み重ねが、この業界で仕事を続けたいと思った一番の理由です。
ーー設立のきっかけは何だったのでしょうか?
仕事をする中で、提案の幅に違和感を覚えるようになったのがきっかけです。当時の会社はフランチャイズ展開をしていて、使う商材がある程度決められていました。他社商材で提案したいと思う材料や設備があっても、それを自由に使えない。ルールとして定められている以上仕方がないのですが、その制約が積み重なる中で、「これで本当にお客様のための家づくりができているのだろうか」と考えるようになりました。
家づくりは、お客様一人ひとりの暮らしや価値観に合わせて柔軟に組み立てていくものだと思っています。だからこそ、選択肢が限られている状態では、どうしても提案に限界が出てしまう。使いたいものが使えないというもどかしさは、日を追うごとに大きくなっていきました。また、前職には社内に専任の設計士がいなかったので、このような悩みを共有できる人もいなかったことも独立の決め手になったと思います。
ただ、実際に一人で会社をやることに不安がなかったわけではありません。経営のこと、資金のこと、集客のこと。これまで現場に立ってきたとはいえ、すべてを一人で背負う覚悟が本当に持てるのか、正直迷いもありました。そんな将来について悩んでいた時期に知人を通じて出会ったのが、今の代表となるパートナーです。初めて会って話をする中で、家づくりに対する考え方や価値観に共感する部分が多く、最終的には一緒に会社を設立する決断をしました。今振り返ると、不安よりも理想の家づくりがしたいという気持ちの方が勝ったのだと思いますね。
ーーConcept Houseで実現したい家づくりについて教えてください。
Cpncept Houseでは、注文住宅事業、提案住宅事業、リフォーム事業の3本柱で事業を展開していきます。それぞれで理想の形は異なりますが、共通しているのはお客様にとってベストな選択をし続けたいということ。
例えば注文住宅において私たちが一番大切にしたいのは、「建て方の順番」です。多くの方が、まずはハウスメーカーに行って土地を探し始めます。ただ、人気のエリアは当然価格も高い。立地の希望を優先すると予算を超えてしまうし、逆に予算に合わせると建物にしわ寄せがいく。結果として、“本当に満足できる家ではない”という状態で着地してしまうケースも少なくありません。
私たちは、このようにお客様が妥協しなくてはならない家づくりではなく、納得し幸せになれる家づくりを提案します。そのために大切なのは、土地・建物・資金のバランスをトータルで設計すること。そして建てるまでだけではなく、建てた後の暮らしまで見据えることです。そのためCpncept Houseでは、第三者のマネープランナーに資金計画を客観的に整理してもらい、お客様にとって無理のないプランを設計します。
また、具体的な施工内容に関しても、一辺倒に何かを勧めるのではなく、まずは徹底的にお客様の理想の住まいについてヒアリングを行います。設備、デザイン、価格などご家族ごとに何を大切にしたいかは違いますから。その価値観を言語化しコンセプトに落とし込み、そこから間取りを組み立てていく。家づくりの順番を間違えず、そしてお客様に正面から向き合うことが、最終的なお客様の新しい家への満足度を左右すると考えています。
ーーConcept Houseの提案型住宅と他社が明確に違う点を教えてください
私たちの提案型住宅は、いわゆる「建売と注文住宅の間」だと思います。一般的な建売住宅は、すでに間取りも仕様も決まっているケースがほとんどです。価格が明確で分かりやすい一方で、どうしても画一的になりやすい。実際に建売でもいいとおっしゃるお客様でも、いざ探してみるとご自身の中に理想があり、納得がいく物件がないと感じている方は多い印象です。かといって、フルオーダーの注文住宅は予算的にハードルが高い。理想はあるけれど、コストとのバランスで諦めざるを得ない。そのジレンマを抱えている方に向けて設計しているのが、私たちの提案型住宅です。
特徴のひとつは、建築途中の段階でご契約いただける体制にしていることです。完全に出来上がった状態ではなく、一定の工程までは私たちがコンセプトを固めておき、そのタイミングで選んでいただく。クロスや一部仕様などは変更できる余地を残しています。ゼロからすべて決める負担はないけれど、“自分たちらしさ”を反映できる余白はある。そのバランスを意識しています。
また、今後も私たちは「Concept Houseの住宅デザイン型」を固定させるつもりはありません。場所に合わせて最適解を考える。その結果として、少しおしゃれで、きちんと住みやすい住まいに仕上げていく。単なる価格訴求型の建売ではなく、かといって注文住宅ほど重くない。ちょうどいい選択肢として、ここなら納得できると思っていただける住まいをつくること。それが、他社との一番の違いだと考えています。
情報が溢れる現代の家づくりは失敗しがち
だからこそ価格と理想を見極める“冷静な設計を”
ーー具体的にどのような要望を持ったお客様が相談に来られますか?
一番多いのは家づくりの始め方がわからないという方ですね。家づくりは人生で何度も経験するものではありませんから、土地の探し方、資金計画、住宅ローン、間取りの考え方…どこから手をつければいいのか分からないまま、不安だけが大きくなってしまう。そうした段階でご相談に来られるケースは非常に多いです。
中には、すでにハウスメーカーで検討された方もいらっしゃいます。ただ、土地探しがうまく進まなかったり、打ち合わせの内容が難しく感じられたり、ローン審査で壁にぶつかったりして、途中で立ち止まってしまい、悩んだ末に改めて弊社に相談に来られる方も少なくありません。
私たちは、そういう状況でも急かすことはしません。実際に、7年間かけて一緒に土地を探したお客様もいらっしゃいます。その間にご家族の状況が変わることもありますし、希望条件が整理されていくこともある。焦って決めるよりも、納得して決断することのほうが大切だと考えています。
ですから、じっくり家づくりに向き合いたい方とは相性がいいと思います。すぐに契約を求めるのではなく、まずは話を聞き、状況を整理し、一緒に道筋を描いていく。家を売るというより、「伴走する」という感覚に近いかもしれません。迷いながらでも前に進みたい、そういう方にこそ来ていただきたいと感じています。
ーー今の時代の家づくりに必要なことは何でしょうか?
ここ数年で、注文住宅の価格は驚くほど上がりました。以前であれば土地込みで3,500万円前後が一つの目安だったエリアでも、今は6,000万円と言われることも珍しくありません。資材高騰や人件費の上昇など、さまざまな要因が重なっています。その結果、建てたい気持ちはあるけれど、現実的に難しいという方が確実に増えています。一方で、SNSを開けば魅力的な家がたくさん目に入る。洗練されたデザインや最新設備が当たり前のように紹介され、それが基準になってしまう。理想はどんどん上がるけれど、現実の予算とのギャップは広がる。その間で悩まれている方が多いと感じています。
さらに難しいのは、ローンの審査が「通ってしまう」ことです。かなり背伸びをした金額でも、条件によっては承認されてしまう場合があります。ただ審査が通ることと、無理なく払い続けられることは別問題です。ここ3〜4年では、支払いが厳しくなり、やむを得ず手放すケースも実際に出てきています。
だからこそ、今の時代に必要なのは「冷静な設計」です。予算の枠を最初に明確にし、その中でどこに優先順位を置くのかを整理する。すべてを叶えるのではなく、本当に大切な部分を見極める。その上で、理想にできるだけ近づける提案をすること。高額化が進む時代だからこそ、夢だけでなく、現実まで含めた家づくりをする。それが、私たちの役割だと思っています。
ーーそのような時代の中で、どのように会社を成長させたいですか?
私たちは、「数」を追う経営はしないと決めています。大切にしたいのは、長く続けていくこと。そのために、年間の新築棟数もあらかじめ目標枠を設定し、その範囲の中で一棟一棟にしっかり向き合う体制を取って行くつもりです。今はまさにそのための地盤作りの段階。自分たちが理想とする家づくりをどこまで形にできるのかを実践し、その中で見えてきた課題を軌道修正していく。仕組みや体制を整えながら、再現性を高めていきたいと思っています。
急成長を求めるのではなく、信頼を積み重ねながら堅実に歩んでいく。その結果として、地域に必要とされる会社になれることを目指したいと思います。


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